成果連結3本柱~未実現利益の消去(商品の売買・アップストリーム)~

問題

P社は×1年度の期首にS社の発行済み株式の60%を取得し、支配を獲得した。①および②の取引について、連結修正仕訳を答えなさい。なお、S社はP社に対して毎期、原価の20%増しの価格で商品を販売している。

目標タイム 6分

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【入力欄】

①×1年度におけるP社の期末商品のうち¥3,600はS社から仕入れたものである。

②×2年度におけるP社の期首商品のうち¥3,600、および期末商品のうち¥6,000はS社から仕入れたものである。




解答

借方金額貸方金額
売上原価600商品600
非支配株主持分当期変動額240非支配株主に帰属する当期純利益240
①の仕訳
借方金額貸方金額
利益剰余金当期首残高600商品600
非支配株主持分当期首残高240利益剰余金当期首残高240
商品600売上原価600
非支配株主に帰属する当期純利益240非支配株主持分当期変動額240
売上原価1,000商品1,000
非支配株主持分当期変動額400非支配株主に帰属する当期純利益400
②の仕訳

商品、売上原価、利益剰余金当期首残高は相殺してもOK。ただし、相殺しすぎると何をやっているのかわからなくなります。

解説

①の取引

商品の売買に係る未実現利益消去の仕訳がわからない人はコチラ↓の問題を先に解いてください。

本問はS社(子会社)がP社(親会社)へ商品を販売しているのでアップストリームとなります。したがって、非支配株主持分への影響も考慮する必要があります。

S社はP社へ原価の20%増しで販売しているので、「原価(売価÷1.2)×0.2」で利益が算定できます。

未実現利益を消去することによって連結グループの利益(利益剰余金)が¥600減少しますが、このうち40%の¥240は非支配株主の持分なので、「利益剰余金」の減少ではなく「非支配株主持分」の減少とすべきです。

そこで、この金額を連結グループの利益(親会社株主に帰属する当期純利益)に戻すために「非支配株主に帰属する当期純利益」を減らすとともに、「非支配株主持分(当期)」を減少させます。

MEMO

「非支配株主に帰属する当期純利益」が減るということは「親会社株主に帰属する当期純利益」(連結上の利益剰余金)が増えるということです。

早く解くテクニック

次のように考えるとより早く仕訳を書くことができます。

①まず、ダウンストリームと考えて(非支配株主持分への影響は無視して)仕訳を書く。

借方金額貸方金額
売上原価600商品600

損益項目(収益と費用)の反対側に、非支配株主持分割合を掛けて「非支配株主に帰属する当期純利益」を記入する。

③「非支配株主に帰属する当期純利益」の相手科目として「非支配株主持分当期変動額」を記入する。

②の取引

解答の仕訳は次の3つに分けて考えることができます。

1.開始仕訳

連結修正仕訳は帳簿外の連結精算表上で行われるため帳簿には反映されません。そこで、前期に行った仕訳を再度行う必要があります。ただし、開始仕訳では損益項目を「利益剰余金当期首残高」、「○○当期変動額」を「○○当期首残高」とします。

借方金額貸方金額
利益剰余金当期首残高
売上原価
600商品600
非支配株主持分当期首残高
非支配株主持分当期変動額
240利益剰余金当期首残高
非支配株主に帰属する当期純利益
240

2.期首商品に係る修正仕訳(未実現利益の実現)

期首商品は期中において外部へ販売済みであるため、前期に消去した未実現利益が当期に実現したということになります。そこで、前期に行った未実現利益の消去に係る仕訳の逆仕訳をしてこれを取り消します。

借方金額貸方金額
商品600売上原価600
非支配株主に帰属する当期純利益240非支配株主持分当期変動額240

期首商品に係る2つの仕訳を合算するとこのようになります(商品は相殺)。

【2段目の仕訳】
前期の利益を取り消す
→(借方)40%は非支配株主にも負担させるため、前期の非支配株主持分を取り消す
→(貸方)40%は当社が負担する必要はないため、前期の利益剰余金を増やす(減らしすぎている利益剰余金を増やす)

【3段目の仕訳】
当期の利益を増やす
→(借方)40%は非支配株主の利益になる(親会社株主の利益ではない)
→(貸方)40%は非支配株主の持分になる(利益剰余金にならない)

3.期末商品に係る修正仕訳(未実現利益の消去)

期末商品に含まれている未実現利益を消去します。

借方金額貸方金額
売上原価1,000商品1,000
非支配株主持分当期変動額400非支配株主に帰属する当期純利益400

売価¥6,000÷1.2×0.2=利益¥1,000