差入保証金と役員貸付金(借入金)の仕訳問題

問題

以下の各取引について仕訳しなさい。ただし、勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと。

現金普通預金当座預金貸付金
役員貸付金差入保証金借入金役員借入金
支払家賃支払手数料修繕費支払利息
受取利息

【取引】

  1. 新規出店のための店舗を1か月当たり¥150,000で賃借する契約を結んだ。契約にあたり、敷金(家賃の2か月分)および不動産業者に対する仲介手数料(家賃の1か月分)を、小切手を振り出して支払った。
  2. 上記1.の契約にもとづき、当月分の家賃を普通預金から振り込んで支払った。
  3. 上記1.の店舗の賃借契約終了にあたり、敷金から原状回復のための費用¥180,000が差し引かれた残額を現金で受け取った。
  4. 当社の専務取締役に資金を貸し付ける目的で¥100,000の小切手を振り出した。利息(貸付期間6か月、年利率4%)は元金とともに受け取る条件となっている。なお、役員貸付けであることを明示する勘定を用いること。
  5. 上記3.の貸付金を利息とともに現金で受け取った。




解答

借方科目 金額 貸方科目 金額
1 差入保証金 300,000 当座預金 450,000
支払手数料 150,000
2 支払家賃 150,000 普通預金 150,000
3 修繕費 180,000 差入保証金 300,000
現金 120,000
4 役員貸付金 100,000 当座預金 100,000
5 現金 102,000 役員貸付金 100,000
受取利息 2,000

解説

1.と2.について

取引や賃貸借契約に際して、契約の履行を担保するために保証金や敷金等を差し入れた時は差入保証金勘定(資産)で処理をします。

また、仲介業者に支払った手数料は「支払手数料」(費用)で、支払った家賃は「支払家賃」(費用)で処理します。

3.について

賃借契約が終了すると差入保証金が戻ってくるので、1.の差入保証金¥300,000を取り崩します。原状回復のために使用された額は修繕費とし、残額が手取金となります。

4.と5.について

会社の役員(社長や専務、常務といった取締役など)にお金を貸し付けた場合は、その重要性を考慮して通常の貸付金ではなく役員貸付金勘定(資産)で処理をします。

同様に、会社の資金難などの理由によって役員からお金を借りた場合も、通常の借入金とは区別して役員借入金勘定(負債)を用います。

MEMO
ただし仕訳自体は通常の貸付金、借入金と同じなので特に問題ないと思います。

なお、4.の「受取利息」の金額は次のように計算します。

¥100,000×4%×6か月/12か月=¥2,000