労務費の計算問題①

問題

次に示す資料にもとづいて、当期の直接労務費および間接労務費の金額を答えなさい。

目標タイム 5分

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【資料】

1.直接工に関する資料

  • 直接工の予定消費賃率:¥1,800/時間
  • 直接作業時間:1,700時間
  • 間接作業時間:300時間
  • 手待時間:50時間
  • 休憩時間:30時間

2.間接工に関する資料

  • 間接工賃金(当月要支払額):¥700,000
  • 間接工賃金(当月支払額):¥720,000

3.その他の資料

  • 本社従業員給料:¥3,500,000
  • 工場事務職員給料:¥540,000
  • 工員の社会保険料会社負担額:¥400,000
  • 工員募集費:¥150,000
  • 工員の社宅や保養所などの福利施設負担額:¥135,000
  • 工員の社員旅行のための支払額:¥280,000
  • 工員の健康診断のための支払額:¥57,000
  • 工場従業員のためのパソコン研修講師料:¥200,000
直接労務費
間接労務費




解答

・直接労務費:¥3,060,000

・間接労務費:¥2,270,000

解説

直接労務費

直接労務費となるのは、直接工の作業時間のうち直接作業時間に対応する金額です。

・予定消費賃率¥1,800/時間×直接作業1,700時間=¥3,060,000

間接労務費

直接工の間接作業賃金および手待賃金

直接工の作業時間のうち、直接作業時間以外(間接作業時間および手待時間)に対応するものは間接労務費となります。

・¥1,800/時間×(間接作業300時間+手待50時間)=¥630,000

注意

休憩時間は支払対象とはならないので注意してください。

間接工賃金

間接工賃金は当月要支払額(¥700,000)を計上します。

その他

次のように考えるのがコツです。

①「工場」や「工員」などが付くものが製造原価となる。

労働の対価として個人に支払うものが労務費となる。

  • 本社従業員給料:本社従業員等の給料は営業費となり製造原価には含まれません。
  • 工場事務職員給料:工場の事務職員給料は間接労務費となります。
  • 工員の社会保険料会社負担額:法定福利費として間接労務費となります。(工員の社会保険料を会社が肩代わりしているため、個人に対して支払っているものと同様と考えてください)
  • 工員募集費:間接経費となります。
  • 工員の社宅や保養所などの福利施設負担額:間接経費となります。
  • 工員の社員旅行のための支払額:間接経費となります。
  • 工員の健康診断のための支払額:間接経費となります。
  • 工場従業員のためのパソコン研修講師料:間接経費となります。

間接労務費の計算

以上より、本問における当期の間接労務費は次のようになります。

・直接工¥630,000+間接工¥700,000+その他(¥540,000+¥400,000)=¥2,270,000