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補助部門費の配賦方法に関する問題1(直接配賦法)

問題

当工場では、2つの製造部門(切削部門と組立部門)と3つの補助部門(修繕部門、動力部門、工場事務部門)によって原価部門が構成されており、製造間接費の計算は部門別計算を行っている。そこで、次の資料にもとづいて下記の問いに答えなさい。

【資料】

1.当月における部門個別費の実際発生額

切削部門 組立部門 修繕部門 動力部門 工場事務部門
651,000円 509,000円 168,000円 106,000円 46,000円

2.当月における部門共通費実際発生額

建物保険料:900,000円、建物減価償却費:1,200,000円

3.部門共通費について、建物保険料は建物評価額、建物減価償却費は建物占有面積を配賦基準として用いる。補助部門費の配賦基準については、次の中から最も適切と思われるものを選択すること。

建物評価額 建物占有面積 修繕時間 動力消費量 従業員数
切削 4,000万円 200㎡ 180時間 100,000kwh 20人
組立 3,500万円 150㎡ 100時間 100,000kwh 30人
修繕 500万円 55㎡ 50,000kwh 10人
動力 700万円 60㎡ 120時間 15人
工場事務 300万円 35㎡ 5人
合計 9,000万円 500㎡ 400時間 250,000kwh 80人

4.製造間接費の製品への配賦は実際配賦を行い、切削部門には切削作業時間、組立部門には組立作業時間を配賦基準として用いる。

#100 #200 合計
切削作業時間 1,800時間 1,200時間 3,000時間
組立作業時間 3,000時間 2,000時間 5,000時間

5.補助部門費の配賦方法は直接配賦法を採用している。


【問1】次の補助部門費配賦表(単位:円)を完成させなさい。

費目 製造部門 補助部門
切削 組立 修繕 動力 工場事務
部門費
工場事務部費
動力部費
修繕部費
製造部門費

【問2】次の原価計算表(単位:円)を完成させなさい。

#100 #200 合計
直接材料費 2,500,000 1,800,000 4,300,000
直接労務費 2,000,000 1,500,000 3,500,000
製造間接費
合計




解答

費目 製造部門 補助部門
切削 組立 修繕 動力 工場事務
部門費 1,531,000 1,219,000 350,000 320,000 160,000
工場事務部費 64,000 96,000
動力部費 160,000 160,000
修繕部費 225,000 125,000
製造部門費 1,980,000 1,600,000

解説

部門費の計算

部門費は部門個別費と部門共通費を合計したものです。

費目 製造部門 補助部門
切削 組立 修繕 動力 工場事務
部門個別費 651,000 509,000 168,000 106,000 46,000
部門共通費
・建物保険料 400,000 350,000 50,000 70,000 30,000
・建物減価償却費 480,000 360,000 132,000 144,000 84,000
部門費 1,531,000 1,219,000 350,000 320,000 160,000

部門個別費は【資料】1の金額をそのまま記入していけばいいだけなので問題ないと思います。部門共通費は問題文で指示されている配賦基準に基づいて各部門へ配賦します。

建物保険料

・配賦率:建物保険料合計900,000円÷建物評価額合計9,000万円=100円/万円

・切削部門への配賦額:100円/万円×4,000万円=400,000円

MEMO
ほかの部門も同様に「配賦率×各部門の建物評価額」で計算してください。

建物減価償却費

・配賦率:建物減価償却費合計1,200,000円÷建物占有面積合計500㎡=2,400円/㎡

・切削部門への配賦額:2,400円/㎡×200㎡=480,000円

MEMO
ほかの部門も同様に「配賦率×各部門の建物占有面積」で計算してください。

補助部門費の製造部門への配賦

直接配賦法は補助部門間の用役の授受は無視し、補助部門費を製造部門のみに配賦する方法です。

工場事務部費

工場事務部費は従業員数(切削部門20人+組立部門30人)を基準として配賦します。

注意
直接配賦法では補助部門費を製造部門のみへ配賦するので、配賦基準値は製造部門のみを用いることに注意しましょう。

・配賦率:工場事務部費¥160,000÷製造部門の従業員数50人=¥3,200/人

・切削部門への配賦額:¥3,200/人×20人=¥64,000

・組立部門への配賦額:¥3,200/人×30人=¥96,000

動力部費

動力部費は動力消費量(切削部門100,000kwh+組立部門100,000kwh)を基準として配賦します。

・配賦率:動力部費¥320,000÷製造部門の動力消費量200,000kwh=¥1.6/kwh

・切削部門への配賦額:¥1.6/kwh×100,000kwh=¥160,000

・組立部門への配賦額:¥1.6/kwh×100,000kwh=¥160,000

修繕部費

修繕部費は修繕時間(切削部門180時間+組立部門100時間)を基準として配賦します。

・配賦率:修繕部費¥350,000÷製造部門の修繕時間280時間=¥1,250/時間

・切削部門への配賦額:¥1,250/時間×180時間=¥225,000

・組立部門への配賦額:¥1,250/時間×100時間=¥125,000

解答

#100 #200 合計
直接材料費 2,500,000 1,800,000 4,300,000
直接労務費 2,000,000 1,500,000 3,500,000
製造間接費 2,148,000 1,432,000 3,580,000
合計 6,648,000 4,732,000 11,380,000

解説

切削部門費の製品への配賦

【資料】4にあるとおり、切削部門費は切削作業時間を基準として各製品(製造指図書)へ配賦します。

・配賦率:切削部門費¥1,980,000÷切削作業時間3,000時間=¥660/時間

・#100への配賦額:¥660/時間×1,800時間=¥1,188,000

・#200への配賦額:¥660/時間×1,200時間=¥792,000

組立部門費の製品への配賦

組立部門費は組立作業時間を基準として各製品(製造指図書)へ配賦します。

・配賦率:組立部門費¥1,600,000÷組立作業時間5,000時間=¥320/時間

・#100への配賦額:¥320/時間×3,000時間=¥960,000

・#200への配賦額:¥320/時間×2,000時間=¥640,000

製造間接費の金額

製造間接費の金額は、先ほど計算した切削部門費と組立部門費の合計となります。

・#100の製造間接費:切削部門費¥1,188,000+組立部門費¥960,000=¥2,148,000

・#200の製造間接費:切削部門費¥792,000+組立部門費¥640,000=¥1,432,000

分からなかった人は復習

製造間接費の部門別計算とは?~その概要と一連の流れ~ 製造間接費の部門別計算とは?~その概要と一連の流れ~ 部門費の集計(第1次集計)~問題とその解き方の解説~ 部門費の集計(第1次集計)~問題とその解き方の解説~ 補助部門費の配賦(第2次集計)~補助部門が複数ある場合~ 補助部門費の配賦(第2次集計)~補助部門が複数ある場合~ 【直接配賦法とは?】問題とその解き方を分かりやすく解説 【直接配賦法とは?】問題とその解き方を分かりやすく解説