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第5章-2:平均法による計算方法



月初仕掛品があるケース

原価の配分方法

前回の例題では月初仕掛品がない単純なケースを見ていきました。

ボキタロー 今回は月初仕掛品があるケースだね。前回と何が違うの?

月初仕掛品の単位原価と当月投入分の単位原価が異なる場合、それをどのように完成品原価と月末仕掛品原価に配分するかが問題となります。

言うまでもなく、当月の月末仕掛品は翌月へ繰り越されて翌月の月初仕掛品となります。そして翌月においては、その月初仕掛品を完成させるとともに新たな製品の製造にも着手することになります。

この月初仕掛品を完成させる作業と当月新たに着手した製品を完成させる作業をどのように行っていくと考えるかによって原価の配分方法が異なってきます。

日商簿記2級での出題が考えられる原価の配分方法として平均法先入先出法がありますが、このページではまず平均法について学習していくことにしましょう。

総合原価計算における原価の配分方法

平均法とは?

平均法は月初仕掛品の加工と当月投入分の加工を並行して平均的にすすめると考えて、原価を配分する方法です。

平均法では月初仕掛品原価と当月製造費用の合計から平均単価を求め、それを使って完成品原価および月末仕掛品原価を計算します。


平均法の例題

例題

次の資料より、平均法によって完成品総合原価と月末仕掛品原価および完成品単位原価を求めなさい。

1.生産データ

月初仕掛品  400個 (80%)
当月投入 2,200
2,600個
月末仕掛品  600 (40%)
完成品 2,000個

注)材料はすべて始点で投入している。( )内は加工進捗度を示す。

2.製造原価データ

直接材料費 加工費
月初仕掛品原価 ¥136,000 ¥115,200 ¥251,200
当月製造費用 ¥1,034,000 ¥825,600 ¥1,859,600
¥1,170,000 ¥940,800 ¥2,110,800

直接材料費の計算

平均単価の計算は、インプット側の合計金額(月初仕掛品原価+当月製造費用)をインプット側数量の合計(月初仕掛品数量+当月投入量)で割って計算します。

平均単価 = (月初仕掛品原価+当期製造費用)÷(月初仕掛品数量+当月投入量)
     =(¥136,000+¥1,034,000 )÷(400個+2,200個)
     =@¥450

次に、この平均単価を使って完成品と月末仕掛品に含まれる直接材料費を求めます。計算方法は、平均単価にそれぞれの数量を掛ければいいだけです。

完成品の直接材料費=平均単価@¥450×完成品量2,000個=¥900,000
月末仕掛品の直接材料費=平均単価@¥450×月末仕掛品量600個=¥270,000

平均法での直接材料費の計算

加工費の計算

ボキタロー たしか、加工費の計算は完成品換算量で計算するんだったね。だから仕掛品量に加工進捗度を掛けないといけないんだ。

はい、そのとおり。月初仕掛品の完成品換算量は320個(=400個×80%)、月末仕掛品の完成品換算量は240個(=600個×40%)となります。 なお、当月投入量(換算量)は貸借の差額で求めてください。

平均単価 =(月初仕掛品原価+当期製造費用)÷(月初仕掛品換算量+当期投入換算量
     =(¥115,200+¥825,600)÷(320個1,920個
     =@¥420
ボキタロー あとはこの平均単価を使って完成品と月末仕掛品に含まれる加工費を計算すればいいだけなんだね。

はい。ただし、月末仕掛品は完成品換算量を使うということだけ注意してください。

完成品の加工費=平均単価@¥420×完成品量2,000個=¥840,000
月末仕掛品の加工費=平均単価@¥420×月末仕掛品換算量240個=¥100,800

平均法での加工費の計算

例題の答え

完成品総合原価 直接材料費¥900,000+加工費¥840,000
¥1,740,000
月末仕掛品原価 直接材料費¥270,000+加工費¥100,800
¥370,800
完成品単位原価 完成品総合原価¥1,740,000÷完成品量2,000個
@¥870



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 第0章:工業簿記のアウトライン
 第1章:費目別計算
 第2章:個別原価計算①
 第3章:製造間接費の予定配賦
 第4章:個別原価計算②
 第5章:総合原価計算①
 第6章:総合原価計算②
 第7章:総合原価計算③
 第8章:総合原価計算④
 第9章:工業簿記の財務諸表
 第10章:標準原価計算
 第11章:CVP分析と直接原価計算
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