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第4章-1:有価証券の分類と売買目的有価証券



有価証券の分類

ボキタロー 有価証券ならすでに3級で勉強したけど?

はい。3級では、①有価証券の購入、②配当金・利息の受取り、③有価証券の売却の基本的な処理について学びました。

このとき、3級ではすべて有価証券勘定を用いて処理しましたが、厳密にはその保有目的に応じて有価証券を大きく5つに分類して処理・表示をします。

ボキタロー じゃあ有価証券の分類によって処理方法や表示方法が変わってくるんだね。

そのとおりです。したがって、まずは有価証券の分類について簡単に見ていきます。それぞれの詳しい処理方法や表示方法はこの章で順番に説明していきますので、ここではざっと目を通す程度で構いません。

①売買目的有価証券

【保有目的】

短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有。

【表示科目】(財務諸表に記載するときに使用する科目)

「有価証券」(流動資産)

【貸借対照表価額】(貸借対照表に記載される金額)

時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益(営業外損益)とする。

②満期保有目的債券

【保有目的】

利息の受け取りなどを目的として、満期まで所有する意図をもって保有。

【表示科目】

「投資有価証券」(固定資産(投資その他の資産))

【貸借対照表価額】

原則:取得原価 容認:償却原価法による価額

③子会社株式

【保有目的】

他の会社への支配力を行使するために保有。

【表示科目】

「関係会社株式」(固定資産(投資その他の資産))

【貸借対照表価額】

取得原価をもって貸借対照表価額とする。

④関連会社株式

【保有目的】

他の会社への影響力を行使するために保有。

【表示科目】

「関係会社株式」(固定資産(投資その他の資産))

【貸借対照表価額】

取得原価をもって貸借対照表価額とする。

⑤その他有価証券

【保有目的】

他社との業務提携や株式の相互持合いなどを目的として保有(上記4つ以外のもの)。

【表示科目】

「投資有価証券」(固定資産(投資その他の資産))

【貸借対照表価額】

時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は貸借対照表(純資産の部)に記載。

まとめ

勘定科目 保有目的 表示科目 貸借対照表価額
売買目的有価証券 短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有 有価証券 時価
満期保有目的債券 利息の受け取りなどを目的として、満期まで所有する意図をもって保有 投資有価証券 ①原則:取得原価
②容認:償却原価法による価額
子会社株式 他の会社への支配力を行使するために保有 関係会社株式 取得原価
関連会社株式 他の会社への影響力を行使するために保有
その他有価証券 他社との業務提携や株式の相互持合いなど(上記4つ以外のもの) 投資有価証券 時価

ボキタロー 5つもあるのか。覚えるの大変そう。。。

子会社株式と関連会社株式は処理・表示方法が同じなので、実質的に勉強しなければならないのは4パターンです。

それではまず売買目的有価証券からみていきましょう。


売買目的有価証券とは?

短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有している有価証券を売買目的有価証券といいます。

ボキタロー 要するに、安い時に買って高い時に売ろうってことだね。

売買目的有価証券は売買目的有価証券勘定で処理し、貸借対照表には「有価証券」として流動資産の区分に表示します。

購入時の処理

売買目的有価証券を購入したときは、購入代価(有価証券自体の金額)に付随費用(証券会社に支払う手数料など)を加えた金額を取得原価とします。

取得原価=購入代価+付随費用

これはどの有価証券でも同じなので、ここで覚えてしまいましょう。

例題 当社は次のように有価証券を購入した。
(1)売買目的で、A社株式100株を1株@¥95で購入し、代金は手数料¥500とともに現金で支払った。
(2)売買目的で、A社株式100株を1株@¥115で購入し、代金は手数料¥500とともに現金で支払った。

売買目的で購入したので、売買目的有価証券勘定で処理します。

  借方科目 金額 貸方科目 金額
(1) 売買目的有価証券 10,000 現金 10,000
(2) 売買目的有価証券 12,000 現金 12,000

取得原価の計算は次のとおりです。付随費用を含める点に注意してください。

(1)@¥95×100株+¥500=¥10,000
(2)@¥115×100株+¥500=¥12,000

売却時の処理

基本的な処理方法は3級講座ですでに学習済みなので、忘れた人はそちらを参照してください。

ボキタロー でも、上の例題みたいに単価が違うものを複数回購入した場合はどうしたらいいの?

同じ銘柄の株式等を複数回に分けて購入した場合、移動平均法(平均原価法)によってその株式等の単価を計算します。

ボキタロー 移動平均法って、商品の払出単価の計算で出てきたあれ?

はい、そうです。計算方法は商品の平均単価を計算する場合と同じです。すなわち、取得原価の合計金額を取得株式数の合計で割ったものを平均単価とし、これを使って売却時の帳簿価額を計算します。

有価証券の平均単価の計算

例題 上記のA社株式150株を1株あたり@¥120で売却し、売買手数料¥500(支払手数料勘定で処理)が差し引かれた残額を当座預金とした。

A社株式の平均単価は次のように計算します。

有価証券の平均単価の計算

よって、売却したA社株式(売買目的有価証券)の簿価は¥16,500(=@¥110×150株)となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金
支払手数料
17,500
500
売買目的有価証券
有価証券売却益
16,500
1,500

売却代金と簿価との差額は「有価証券売却益」(営業外収益)または「有価証券売却損」(営業外費用)で処理します。

ボキタロー 「売買目的有価証券売却益」じゃないのね。

はい。なお、売却時の手数料は支払手数料勘定で処理するほかに、売却損益に含める(相殺する)方法もあります。その場合の仕訳は次のようになります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 17,500 売買目的有価証券
有価証券売却益
16,500
1,000

どちらの方法によるかは問題の指示に従ってください。

購入時の手数料 売却時の手数料
付随費用として取得原価に含める 支払手数料勘定で処理
売却損益に含める(相殺する)

決算時の処理

売買目的有価証券は時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益(営業外損益)とします。したがって、決算時にはその帳簿価額を時価に評価替えしなければなりません。

・「簿価>時価」のケース

例題 決算につき、売買目的で保有しているB社株式(帳簿価額¥10,000)を期末時価¥9,000に評価替えする。

決算時の時価が簿価を下回っている場合には、簿価を時価まで切り下げるとともに、両者の差額を有価証券評価損(営業外費用)として処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
有価証券評価損 1,000 売買目的有価証券 1,000

売買目的有価証券の評価替え(決算時の時価が簿価を下回っている場合)

・「簿価<時価」のケース

例題 決算につき、売買目的で保有しているC社株式(帳簿価額¥15,000)を期末時価¥17,000に評価替えする。

決算時の時価が簿価を上回っている場合には、簿価を時価まで切り上げるとともに、この差額を有価証券評価益(営業外収益)として処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 2,000 有価証券評価益 2,000

売買目的有価証券の評価替え(決算時の時価が簿価を上回っている場合)



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 第4章:有価証券
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 第6章:引当金
 第7章:リース取引
※作成中
 第8章:株式の発行、合併、剰余金
 第9章:税金および決算等
 第10章:本支店会計
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