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第4章-1:売買目的有価証券の評価替(切放法と洗替法)



売買目的有価証券の時価評価

売買目的有価証券とは?

短期売買目的で保有している有価証券を売買目的有価証券といい、「売買目的有価証券」勘定で処理します。

この売買目的有価証券は時価をもって貸借対照表価額(B/Sに表示される金額)とし、評価差額は当期の損益とします。

売買目的有価証券の時価評価

切放法と洗替法

売買目的有価証券は決算時において時価に評価替えをしなければならないわけですが、この方法として切放法(きりはなしほう)洗替法(あらいがえほう)という2つの方法があります。

次の例題を使ってそれぞれの処理方法を見ていくことにしましょう。

例題

①×1年9月30日に売買目的でA社の株式500株を1株@¥350で購入し、代金は売買手数料¥1,000とともに現金で支払った。

②決算日(×2年3月31日)となったので、売買目的有価証券の評価替えを行う。なお、決算時の時価は@¥380である。

③翌期首(×2年4月1日)となった。

④×2年5月31日に上記の売買目的有価証券すべてを1株@¥360で売却し、売買手数料¥2,000(支払手数料勘定で処理)が差し引かれた残額を当座預金とした。

問1:切放法を採用している場合の上記①~④の仕訳を答えなさい。

問2:洗替法を採用している場合の上記①~④の仕訳を答えなさい。


問1:切放法による処理方法

①×1年9月30日(購入時)の仕訳

3級で学習したように、購入時の売買手数料は取得原価に含めます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 176,000 現金 176,000

500株 × @¥350 + ¥1,000 = ¥176,000

②決算日の仕訳

売買目的有価証券を時価に評価替えします。評価差額は、有価証券評価損(営業外費用)または有価証券評価益(営業外収益)で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 14,000 有価証券評価益 14,000

簿価:¥176,000----(+¥14,000)----→時価:¥190,000(=500株×@¥380)

③翌期首の仕訳

切放法を採用している場合、翌期における売買目的有価証券の帳簿価額は前期末の時価をそのまま使うので、翌期首において仕訳の必要はありません。

④×2年5月31日(売却時)の仕訳

切放法を採用している場合、売買目的有価証券の帳簿価額は前期末の時価となっているので、これと売却価額を比べて売却損益を計算します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金
支払手数料
有価証券売却損
178,000
2,000
10,000
売買目的有価証券 190,000

売価:¥180,000(=500株×@¥360)-簿価(前期末時価):¥190,000
-¥10,000(有価証券売却損)

切放法による売買目的有価証券の評価替え

※なお売却時の手数料は、「支払手数料」で処理する方法の他にも売却損益に含める方法もあります。その場合の仕訳は次のようになります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金
有価証券売却損
178,000
12,000
売買目的有価証券 190,000


問2:洗替法による処理方法

①×1年年9月30日(購入時)の仕訳

問1(切放法)と同じです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 176,000 現金 176,000

②決算日の仕訳

問1(切放法)と同じです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 14,000 有価証券評価益 14,000

③翌期首の仕訳

洗替法を採用している場合は、前期末において時価評価した金額を再び取得原価に戻してやります。仕訳としては前期末に行なった時価評価の逆仕訳となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
有価証券評価益 14,000 売買目的有価証券 14,000

④×2年5月31日(売却時)の仕訳

洗替法を採用している場合、売却時の帳簿価額は取得原価となっているので、これと売却価額を比べて売却損益を計算します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金
支払手数料
178,000
2,000
売買目的有価証券
有価証券売却益
176,000
4,000

売価:¥180,000(=500株×@¥360)-簿価(取得原価):¥176,000
¥4,000(有価証券売却益)

洗替法による売買目的有価証券の評価替え

※売却時の手数料を売却損益に含めて処理する場合の仕訳は、次のようになります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 178,000 売買目的有価証券
有価証券売却益
176,000
2,000


切放法と洗替法の比較

上の例題の結果を見ていただくとお分かりのとおり、切放法と洗替法とでは有価証券評価損益および有価証券売却損益の金額が異なってくるので、一見問題がありそうな感じがします。

しかし、評価損益も売却損益も共に売買目的有価証券の運用によって生じる損益であるので、これらを運用損益という大きな枠組みで考えた場合、この両者を合算した金額は同じになるので問題ないというわけです。

【売買目的有価証券の運用損益】

・切放法の場合

(評価損益:+¥14,000)+(売却損益:△¥10,000)=+¥4,000

・洗替法の場合

(評価損益:+¥14,000)+(評価損益:△¥14,000)+(売却損益:+¥4,000)
+¥4,000




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INDEX

 第0章:本章に入る前に
 第1章:銀行勘定調整表
 第2章:商品売買
 第3章:手形取引
 第4章:売買目的有価証券および満期保有目的債券
 第5章:固定資産
 第6章:引当金
 第7章:社債
※試験範囲外のため削除
 第8章:株式の発行および剰余金
 第9章:税金および決算等
【連絡先】
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