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剰余金の配当・処分

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1.剰余金の配当・処分の意味と手続き

剰余金の配当・処分とは?

法律上、株式会社は株主のものとされています。したがって、株式会社が経営活動を通じて獲得した利益について、それをどのように使うのかといった事項は株主が株主総会において決定することとされています。

このように、利益(剰余金)の使いみちを決定することを剰余金の処分といい、このうち株主への配当金の支払いのことを剰余金の配当といいます。

剰余金の配当・処分のイメージ

剰余金の配当・処分の流れ

まず決算において、その期に獲得した利益を損益勘定から繰越利益剰余金勘定に振り替えます。

法律上、株式会社は株主のものですから経営者が自由に使うことはできません。もし経営者が勝手に会社のお金を使うと法律的な問題が生じてしまいます。そこで株式会社の場合は、当期に生じた利益をいったん繰越利益剰余金勘定へ振り替えておき、決算後3ヶ月以内に開催される株主総会において、株主がその使いみちを決めることになっているわけです。

そして、利益の使いみち(剰余金の処分)が決議された時に、繰越利益剰余金勘定からそれぞれの科目へ振り替えます。なお、使い道が決まらなかったもの(処分されなかった繰越利益剰余金の残高)は次期以降に繰り越されます。

【剰余金の配当・処分に関する一連の流れ】

剰余金の配当・処分に関する一連の流れ

2.剰余金の配当・処分の処理方法

決算時の仕訳

例題1

当期純利益は¥500,000であった。

当期における収益・費用は損益勘定に集計され、その差額として当期純利益が計算されるので、その金額を繰越利益剰余金勘定に振り替えます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
損益 500,000 繰越利益剰余金 500,000

株主総会時の仕訳

例題2

株主総会における繰越利益剰余金の配当・処分は次のとおりである。
・配当金:¥200,000
・利益準備金:会社法に規定する額
・別途積立金¥150,000
なお、当社の資本金は¥12,000,000、資本準備金は¥1,000,000、利益準備金は¥200,000であった。

不測の損害等に備えて、一定の額を会社内に留保しておく制度を準備金といいます。会社法では株主への配当を行った場合に、一定の額を利益準備金として積み立てることを要求しています。

また、株主総会では配当金をいくら支払うかを決議するだけで、実際に支払われるのは後日となります。したがって、配当金については「未払配当金」で処理しておきます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越利益剰余金 370,000 未払配当金 200,000
利益準備金 20,000
別途積立金 150,000

後日、配当金を支払ったときに未払配当金を減少させます。

【配当金を支払ったときの仕訳】

借方科目 金額 貸方科目 金額
未払配当金 200,000 現金など 200,000

3.利益準備金の積立額

利益準備金の積立額の計算方法

会社法では株主への配当を行う際に、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、株主への配当金の10分の1を利益準備金として積み立てることを規定しています。

この文章をもう少し分かりやすく言い換えると、以下の(A)と(B)のいずれか小さい方の金額が利益準備金の積立額になるということです。

(A)配当金×1/10
(B)資本金×1/4-(資本準備金+利益準備金)

それでは実際に利益準備金の積立額を計算してみましょう。

ケース1

まず、例題2のケースを見てみましょう。計算方法は先ほどの式にそのまま金額を当てはめればいいだけです。

(A)配当金¥200,000×1/10=¥20,000
(B)資本金¥12,000,000×1/4-(資本準備金¥1,000,000+利益準備金¥200,000)=¥1,800,000

(A)の金額の方が小さいので、例題2の利益準備金の積立額は¥20,000となります。

利益準備金の積立額の計算方法(ケース1)

ケース2

次は下の例題のケースを考えてみましょう。

例題3

株主総会における繰越利益剰余金の配当・処分は次のとおりである。
・配当金¥300,000
・利益準備金:会社法に規定する額
・別途積立金¥150,000
なお、当社の資本金は¥5,000,000、資本準備金は¥1,000,000、利益準備金は¥240,000であった。

計算方法は先ほどと同じです。

(A)配当金¥300,000×1/10=¥30,000
(B)資本金¥5,000,000×1/4-(資本準備金¥1,000,000+利益準備金¥240,000)=¥10,000

今度は(B)の方が小さくなるので利益準備金の積立額は¥10,000となります。例題3のケースでは、もし配当金の10分の1を利益準備金とすると、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1を超えてしまうので、利益準備金の積立額は(B)の金額となるわけです。

利益準備金の積立額の計算方法(ケース2)

4.その他資本剰余金からの配当

その他資本剰余金を原資として配当を行うことも可能です。その場合は「利益準備金」が「資本準備金」に変わるだけで積立額の計算方法はどちらも同じです。

例題4

株主総会において、その他資本剰余金を財源とした配当・処分が次のように決定した。
・資本準備金:¥20,000
・配当金:¥200,000

借方科目 金額 貸方科目 金額
その他資本剰余金 220,000 未払配当金 200,000
資本準備金 20,000
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