収益認識基準に関する問題3(サービスの提供等)

問題

以下の各問いに答えなさい。

目標タイム 7分

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【問1】次の一連の取引について仕訳を答えなさい。

①当社は日商簿記検定試験の受験学校を経営している。来月に開講予定の簿記1級講座(受講期間1年)の受講料100,000円を現金で受け取った。

②簿記1級講座の教材作成費用15,000円を現金で支払った。この費用はすべて、簿記1級講座のために直接費やされるものであることが明らかなので仕掛品勘定で処理する。

③決算日現在、簿記1級講座は全体の6割が終了しているため、カリキュラムが完了した部分の収益を計上する。また、当期に提供したサービスにかかる費用15,000円を仕掛品から役務原価に振り替える。


【問2】次の一連の取引について仕訳を答えなさい。

①×5年12月1日、A社へ会計システム(市場販売目的のソフトウェアに該当)および当該ソフトウェアの1年間のサポートサービスを合計900,000 円(うちソフトウェア720,000円、サポートサービス180,000円)で販売し、代金は普通預金へ振り込まれた。当社では、それぞれを別個の履行義務として識別している。サポートサービスは本日より開始しており、時の経過(月割計算)に応じて履行義務を充足する。

②×6年3月31日、決算をむかえサポートサービスのうち履行義務を充足した部分について役務収益(月割で計算)を計上した。また、このサポートサービスに直接要した費用20,000円を仕掛品に計上していたため、これを役務原価に振り替えた。




解答

借方金額貸方金額
現金100,000契約負債100,000
①の仕訳
借方金額貸方金額
仕掛品15,000現金15,000
②の仕訳
借方金額貸方金額
契約負債60,000役務収益60,000
役務原価15,000仕掛品15,000
③の仕訳

解説

①手付金等を受け取ったとき

サービスを提供する前(履行義務を充足する前)に代金を受け取ったときは契約負債で処理をします。

MEMO

前受金勘定で処理することも考えられますが、使用できる勘定科目の中に「前受金」がないので契約負債で処理しなければいけません。

②費用を支払ったとき

支払った費用が、特定のサービスのために直接費やされるものであることが明らかな場合は、その金額を仕掛品勘定で処理します。

MEMO

サービス提供のための費用が、サービスの提供と比較的タイムラグがある場合は、仕掛品で処理をしておくのが適当です。

③決算日

決算日においては、サービス提供の期間や進捗度に応じた収益(役務収益)を計上します。

・役務収益:100,000円×6割=60,000円

解答

借方金額貸方金額
普通預金900,000売上720,000
契約負債180,000
①の仕訳
借方金額貸方金額
契約負債60,000役務収益60,000
役務原価20,000仕掛品20,000
②の仕訳

解説

①の仕訳

1つの契約の中に複数の履行義務が含まれている場合、履行義務の単位に応じて収益を認識します。本問では、ソフトウェアの引き渡しが「一時点で充足される履行義務」となり、サポートサービスの提供が「一定の期間にわたり充足される履行義務」に該当します。

ソフトウェアについては引き渡したときにその対価を売上に計上しますが、この時点ではまだサポートサービスの提供は行っていない(履行義務を充足していない)ので、サポートサービスの対価は契約負債で処理します。

②の仕訳

4か月分(12月1日~3月31日)のサポートサービスが提供された(履行義務を充足した)ので、この期間に相当する金額を契約負債から役務収益へ振り替えます。

・役務収益:180,000円×4か月/12か月=60,000円

また同時に、仕掛品勘定に計上されている20,000円について、役務原価に振り替えます。