固定資産の取得に関する仕訳問題

問題

以下の各取引について仕訳しなさい。

目標タイム 3分

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1.営業用の土地50㎡を、1㎡あたり¥50,000で購入し、不動産会社への仲介手数料¥300,000および売買契約書の収入印紙代¥20,000とともに小切手を振り出して支払った。なお、収入印紙代は費用として処理すること。

2.営業に使用する目的でパソコン5台(1台あたり¥120,000)を購入し、代金は来月末に支払うこととした。なお、このパソコンのセッティング費用¥10,000については、現金で支払った。

3.営業目的で土地付き建物を¥3,000,000(土地¥2,000,000、建物¥1,000,000)で一括購入し、代金は来月末に支払うこととした。なお、売買手数料(それぞれの代金の3%)は現金で支払った。

4.自動車販売業を営む当社は、販売目的で中古自動車¥1,000,000を購入し、代金は来月末に支払うこととした。また、購入に伴う手数料¥50,000(当社負担)は現金で支払った。

5.先に取得していた中古建物に関し、使用できる状態にするための内装工事に¥140,000を支出したが、これをすべて修繕費として処理していたので修正する。

6.建物の改修工事を行い、¥530,000を小切手を振り出して支払った。このうち、¥360,000は耐用年数を延長させる改良のための支出であり、残りは定期的修繕のための支出である。

借方金額貸方金額
1
2
3
4
5
6




解答

借方金額貸方金額
1土地2,800,000当座預金2,820,000
租税公課20,000
2備品610,000未払金600,000
現金10,000
3土地2,060,000未払金3,000,000
建物1,030,000現金90,000
4仕入1,050,000買掛金1,000,000
現金50,000
5建物140,000修繕費140,000
6建物360,000当座預金530,000
修繕費170,000

解説

1.の解説

仲介手数料は付随費用として、土地の取得原価に含めて処理します。

土地の取得原価

購入価格+購入手数料

=50㎡×¥50,000/㎡+¥300,000

¥2,800,000

「印紙代は費用として処理する」とあるので、租税公課を使って処理します。

2.の解説

パソコンのセッティング費用は付随費用として、備品の取得原価に含めます。

備品の取得原価

購入価格+パソコンのセッティング費用

=@¥120,000×5台+¥10,000

¥610,000

この備品は商品ではないので、「買掛金」ではなく「未払金」を使います。

3.の解説

土地と建物は別個の固定資産であるため、それぞれ分けて処理します。

また、付随費用である売買手数料は指示にあるように、土地と建物の代金の3%をそれぞれの取得原価に含めます。

・土地:¥2,000,000×3%=¥60,000
・建物:¥1,000,000×3%=¥30,000

土地の取得原価

購入代金¥2,000,000+売買手数料¥60,000

¥2,060,000

建物の取得原価

購入代金¥1,000,000+売買手数料¥30,000

¥1,030,000

4.の解説

自動車は”販売目的で”取得しているという点に注意してください。この場合は、通常の商品の仕入として処理します(したがって代金の未払額は「買掛金」となります)。また、購入に伴う当社負担の手数料は付随費用として仕入原価に含めます。

5.の解説

固定資産を使用できる状態にするための支出額は、本来は付随費用として取得原価に含めます。しかし、本問ではこれを修繕費として処理しているので正しく修正します。

誤って計上している修繕費を減らして、それを建物の取得原価に加えます。

6.の解説

改良のための支出は資本的支出に該当するので建物の取得原価に含めます。また、定期的修繕のための支出は収益的支出に該当するので修繕費勘定で処理します。