経過勘定項目に関する問題5

問題

次の資料に基づいて、以下の保険料勘定および前払保険料勘定の記入を行いなさい。なお、会計期間は×8年4月1日から×9年3月31日までの1年間である。

目標タイム 5分

00:00

【資料】保険料はすべて建物に対するものであり、毎年12月1日に向こう1年分(毎年同額)を現金で前払いしている。決算整理前残高試算表における保険料の金額は¥60,000であった。

保険料

×8.4/1 ×9.3/31
×8.12/1

前払保険料

×8.4/1 ×8.4/1
×9.3/31 ×9.3/31




解答

保険料

×8.4/1 前払保険料 24,000×9.3/31 前払保険料24,000
×8.12/1 現金36,000 損益36,000
60,00060,000

前払保険料

×8.4/1前期繰越24,000×8.4/1保険料24,000
×9.3/31保険料24,000×9.3/31次期繰越24,000
48,00048,000

解説

本問の最大のポイントは、決算整理前残高試算表における保険料が20か月分の金額を表しているという点です。

期首再振替仕訳

前期末において、未経過の8か月分(×8年4月1日~×8年11月30日)を次のように繰り延べています。

借方金額貸方金額
前払保険料8か月分保険料8か月分
前期末の仕訳
MEMO

前払保険料(前払費用)は資産の科目なので前期繰越(期首残高)は借方に生じます。

当期首には、前期末に行ったこの仕訳について再振替仕訳を行います。

借方金額貸方金額
保険料8か月分前払保険料8か月分

期中取引

1年分の保険料を支払ったとき(×8年12月1日)には次のような仕訳を行います。

借方金額貸方金額
保険料12か月分現金12か月分

前TBの保険料¥60,000は20か月分の金額を表すので、1か月あたりの保険料は¥3,000となります。

したがって、当期首の再振替仕訳(8か月分)および当期支払時(12か月分)の仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
保険料24,000前払保険料24,000
再振替仕訳(¥3,000×8か月分)
借方金額貸方金額
保険料36,000現金36,000
当期支払時(¥3,000×12か月分)

決算整理仕訳

当期末において、前払いしている未経過の8か月分(×9年4月1日~×9年11月30日)を次のように繰り延べます。

借方金額貸方金額
前払保険料24,000保険料24,000

8か月分の保険料を繰り延べることで、保険料勘定は当期に属する12か月分の金額となります。

損益振替・帳簿の締め切り

保険料は費用なので、これを損益勘定の借方に振り替えます。

借方金額貸方金額
損益36,000保険料36,000

資産の項目である前払保険料は「次期繰越」および残高を記入して締め切ります。資産の項目は借方に差額が出るので、貸借を一致させるために「次期繰越」は貸方に記入します。

分からなかった人は復習