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個別原価計算の問題と解き方~実際に計算してみよう!~

重要度★★★★★ 2級工業簿記無料講座第2章-2のアイキャッチ画像

前回は個別原価計算の概要についてお話ししました。今回は簡単な例題を使って実際に個別原価計算の問題を解いてみましょう。

1.個別原価計算の例題

受注生産企業である当社では個別原価計算を採用している。以下で示す当期(6月期)の資料を参考にして、原価計算表を完成させなさい。

【資料1】当期の生産状況

個別原価計算の例題【資料1】当期の生産状況

【資料2】当期の製造原価

①直接材料費

・価格:@¥600/kg

・消費量

個別原価計算の例題【資料2】材料消費量

②直接労務費

・賃率:@¥800/時間

・直接作業時間

個別原価計算の例題【資料2】直接作業時間

③製造間接費発生額

個別原価計算の例題【資料2】製造間接費発生額

※製造間接費は直接労務費を基準に配賦する。

2.製造直接費の計算

製造指図書(せいぞうさしずしょ)とは、製造すべき製品の種類や数量、納期などが簡単に書かれている紙切れのことだと思ってくれれば結構です。製造部門では、この製造指図書にしたがって製品を生産していくことになります。

#100や#200は製造指図書の番号で、それぞれの製品を表しています。

それでは順番に見ていきますが、基本的な計算方法は前回説明したことがすべてで、それ以上のことは特に何もありません。つまり製造直接費は賦課、製造間接費は配賦ということです。

忘れた人はこちら


それではまず、製造直接費(直接材料費、直接労務費)から計算していきましょう。

直接材料費は@価格に各製造指図書の消費量を掛けて計算していきます。また、直接労務費は@賃率に各製造指図書の直接作業時間を掛けて計算します。

直接材料費と直接労務費

製造直接費はどの製品(製造指図書)にいくら発生したのかが跡づけできるので、各製造指図書にそれらを直接賦課すればいいだけです。したがって、計算的には何の問題もありません。

3.製造間接費の計算

製造間接費はどの製造指図書にいくらかかったのかが分かりません。全体としていくら発生したのかということしか分からないので、配賦(はいふ)という問題が生じるわけです。

ここで配賦とは、「ある一定の基準にもとづいて製造間接費を各製造指図書に按分すること」を意味しますが、この基準のことを配賦基準といいます。

どの値を配賦基準にするかは問題によって異なるので必ず指示に従ってください。

製造間接費の配賦は、まず製造間接費の合計額を配賦基準値(例題では直接労務費)の合計で割って配賦率を計算します。

配賦率=製造間接費発生額/配賦基準値(直接労務費)の合計
=¥648,000/¥540,000
@¥1.2

このように計算された配賦率は配賦基準値1単位あたりの製造間接費の配賦額を表すので、例題では直接労務費1円あたりの製造間接費の配賦額ということになります。

つまり、「各製造指図書における直接労務費1円あたり製造間接費を1.2円配賦する」ということなので、あとはこの配賦率に各製造指図書の直接労務費を掛ければいいわけです。

例えば、#100への製造間接費の配賦額の計算は次のようになります。

#100への配賦額=配賦率×#100の配賦基準値(直接労務費)
=@¥1.2×¥200,000
¥240,000

#200と#300の製造間接費配賦額も同じように計算していきます。

製造間接費配賦額

当然ですが、配賦額の合計は製造間接費発生額の合計と同じになります。この関係は検算などに利用できます。

4.原価計算表の作成

最後に、ここまでの計算結果を原価計算表(原価計算の結果を簡潔にまとめた一覧表)に記入していきます。

原価計算表

個別原価計算では注文数量のすべてが完成した時点で、その製造指図書が「完成」ということになります。いまだ全量が完成していない製造指図書は「仕掛中」と記入します。

5.まとめ

個別原価計算の計算手続は次のようになります。

まとめ
  • 製造直接費は各製造指図書へ賦課する。
  • 製造間接費は一定の配賦基準に基づいて各製造指図書へ配賦する。
  • 製造間接費の配賦率は、配賦基準値1単位あたりの製造間接費の配賦額を意味する。
  • 個別原価計算では、注文数量のすべてが完成した時点で、その製造指図書が「完成」ということになる。
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