連結会社間の取引高および債権債務の相殺消去

当期の連結修正仕訳2~連結会社間の取引高および債権債務の相殺消去~

連結会社相互間の債権・債務および連結会社相互間における商品売買その他の取引に係る項目は相殺消去しなければなりません。このページでは親子会社間の売上高と仕入高の相殺消去および貸付金と借入金の相殺消去について学習します。

対照項目とは?

親子会社間の取引は連結ベースで見ると内部取引となるため、その取引に係る対照項目は相殺消去しなければなりません。

対照項目とは、連結会社相互間の取引高およびその取引から生じた債権・債務等の残高をいいます。

相殺消去される対照項目の例

相殺消去される対照項目の例

売上高と仕入高の相殺消去

連結会社間で商品売買を行った場合、親会社・子会社の個別ベースで見た場合は通常の商品売買ですが、連結ベースでみると単に商品の保管場所が変わったにすぎず、何の取引も発生していないことになります。

そこで、連結修正仕訳によって取引がなかった状態(仕訳なしの状態)に修正する必要があります。

連結修正仕訳

例題1

P社(親会社)はS社(子会社)に対して、商品¥1,000を売り上げた。

連結修正仕訳では連結財務諸表上の科目を使うため、「売上」ではなく「売上高」とします。また連結P/Lでは、売上原価の内訳は示さずに一括して表示するので、「仕入」(当期商品仕入高)ではなく「売上原価」とします。

借方金額貸方金額
売上高1,000売上原価1,000

翌期の開始仕訳について

売上高と仕入高の相殺消去では、収益と費用が同額づつ減少するので利益に影響を及ぼしません(利益剰余金は変動しない)。したがって、翌期においてこの連結修正仕訳に関する開始仕訳は必要ないということになります。

【参考】ここはさらっと読もう

開始仕訳では利益に影響を及ぼす項目(収益と費用)は「利益剰余金当期首残高」となるので、借方と貸方がともに「利益剰余金当期首残高」となり、開始仕訳をしても意味がありません。

借方金額貸方金額
利益剰余金当期首残高1,000利益剰余金当期首残高1,000
SHIBUYA
SHIBUYA

前期の収益と費用が当期の損益計算書に記載されることはないので、開始仕訳をしなくても連結上、収益や費用が過大に(過少に)計上されるといったことはありません。

貸付金と借入金の相殺消去

連結会社間で金銭貸借を行った場合、個別ベースでは通常の貸付金・借入金となりますが、連結ベースでみると単に現金の保管場所が変わったにすぎず、何の取引も発生していないことになります。

そこで、連結修正仕訳によって取引がなかった状態(仕訳なしの状態)に修正する必要があります。

連結修正仕訳

例題2

P社(親会社)の当期末の短期貸付金のうち、¥1,000はS社(子会社)に対するものである。また、この短期貸付金にかかる受取利息¥40および未収収益¥20を計上している。

連結ベースでは金銭貸借取引自体がなかったと考えるので、債権(短期貸付金)と債務(短期借入金)を相殺消去するとともに、この取引に係る受取利息と支払利息、および未収収益と未払費用を相殺消去します。

借方金額貸方金額
短期借入金1,000短期貸付金1,000
受取利息40支払利息40
未払費用20未収収益20

翌期の開始仕訳について

債権・債務の当期末残高(翌期首残高)は、翌期中に決済などによって消滅した場合は、翌期においてこの連結修正仕訳に関する開始仕訳は必要ありません

翌期末に残高がある場合は、その残高に対して相殺消去の連結修正仕訳をすればいいだけです。

翌期の開始仕訳について
SHIBUYA
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受取利息と支払利息についても「2.売上高と仕入高の相殺消去」で説明した理由により開始仕訳は必要ありません。

復習問題

2級仕訳問題集part.7のQ.7-09~Q.7-10を解きましょう!