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第3章-5:公式法変動予算による差異分析



シュラッター=シュラッターの図

まずはじめに言っておきますが、このページでは計算式がいくつも出てきます。

ボキタロー わかりました。全部丸暗記します。

丸暗記すると試験で間違えたりすぐ忘れたりします。何よりも、丸暗記によってたとえ試験で点数を採れたとしても、それは本当の意味で簿記を学んだことにはなりません。よって、当サイトでは一貫して理屈を理解しないままの丸暗記は推奨していません。

ボキタロー じゃあ、どうすればいいのさ!

公式法変動予算による差異分析の問題は、次のような図(シュラッター=シュラッターの図)を書いて分析していきますので、計算式は参考程度に考えて図の書き方だけマスターすればOKです。

【シュラッター=シュラッターの図】

シュラッター図のひな形

ボキタロー いやいや。結局この図を覚えないとだめなんでしょ?

第3章のこれまでの話を理解できていれば、上の図を丸暗記しなくても「どこに何を記入すればいいのか?」また「その数字の意味は何なのか?」は分かると思います。

さらに慣れてくれば、図を書かなくても各数値を求めるための計算式が自然と頭に浮かんでくるようになるでしょう。

ボキタロー それくらいにはなりたいね。


差異分析の問題の解き方

例題

当期の製造間接費のデータは以下のとおりである。公式法変動予算によって配賦差異を計算し、それを予算差異と操業度差異に分析しなさい。なお、不利差異か有利差異かもあわせて答えること。

当期の実際操業度 2,800時間
当期の実際発生額 ¥1,450,000
予算変動費率 @¥200
固定費予算額 ¥900,000
基準操業度 3,000時間

①資料として与えられている数値を図に記入していきます。

シュラッター図①

②固定費率と予算許容額および予定配賦額を求めます。

シュラッター図②
固定費率 = 固定費予算額 ÷ 基準操業度
     = ¥900,000 ÷ 3,000時間
     = @¥300
予算許容額 = 実際操業度における変動費予算額 + 固定費予算額
      = (変動費率 × 実際操業度) + 固定費予算額
      = (@¥200 × 2,800時間) + ¥900,000
      = ¥1,460,000
予定配賦額 = 予定配賦率(変動費率+固定費率) × 実際操業度
      = (@¥200+@¥300) × 2,800時間
      = ¥1,400,000

③予算差異を求めます。

予算許容額と実際発生額との差額で予算差異を求めます。計算式を暗記するよりも、図のどこが予算差異に該当するのかを確認してください。

シュラッター図③

予算差異 = 予算許容額(実際操業度における予算額)- 製造間接費実際発生額
     = ¥1,460,000 -  ¥1,450,000
     = ¥10,000(有利差異)

予算差異が不利差異なのか有利差異なのかは次のように判断します。

予算許容額<実際発生額 実際発生額が実際操業度の下での予算をオーバーしたので不利差異(借方差異)
予算許容額>実際発生額 実際発生額が実際操業度の下での予算よりも少なくて済んだので有利差異(貸方差異)

④操業度差異を計算します。

シュラッター図④

操業度差異を計算する方法は次の2通りの方法があります。

ⅰ)実際操業度と基準操業度との差に固定費率を掛けて操業度差異を計算する方法

操業度差異 = 固定費率 × (実際操業度 - 基準操業度)
      = @¥300 × (2,800時間 - 3,000時間)
      = -¥60,000(不利差異)

ボキタロー 右下(基準操業度の上)の@¥300はどこからでてきたの?

これは錯角によって導きます。中学生の時に勉強したあれです。

錯角について

ⅱ)予定配賦額と予算許容額との差額で計算する方法

操業度差異 = 予定配賦額 - 予算許容額
      = ¥1,400,000 - ¥1,460,000
      = -¥60,000(不利差異)

操業度差異が不利差異なのか有利差異なのかは次のように判断してください。予算差異の場合と同じく、なるべく丸暗記しようとせず理屈で覚えるようにしてください。

実際操業度<基準操業度 不景気による需要の減少や機械の故障などによって、実際の操業度が予想を下回った(製品1個あたりが負担する固定費が大きくなった)ので不利差異(借方差異)
実際操業度>基準操業度 好景気による需要の増加などにより、実際の操業度が予想を上回った(製品1個あたりが負担する固定費が小さくなった)ので有利差異(貸方差異)

⑤予定配賦額と実際発生額との差額が配賦差異総額となります。

配賦差異総額は1番最初に求めてもOKです。

配賦差異総額 = 予定配賦額 - 実際発生額
       =¥1,400,000 - ¥1,450,000
       =-¥50,000(不利差異)

予算差異と操業度差異は配賦差異を細分したものなので、当然のことながら次の式が成り立ちます。

配賦差異 = 予算差異 + 操業度差異
シュラッター図⑤

実際発生額と予算許容額と予定配賦額の関係をまとめると次のようになります。

(実際発生額) ←  → (予算許容額) ←  → (予定配賦額)
【予算差異】 【操業度差異】
L______________」
【配賦差異】

例題の答え

以上より、例題の答えは次のとおりです。

配賦差異 ¥50,000(不利差異)
予算差異 ¥10,000(有利差異)
操業度差異 ¥60,000(不利差異)



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INDEX

 第0章:工業簿記のアウトライン
 第1章:費目別計算
 第2章:個別原価計算①
 第3章:製造間接費の予定配賦
 第4章:個別原価計算②
 第5章:総合原価計算①
 第6章:総合原価計算②
 第7章:総合原価計算③
 第8章:総合原価計算④
 第9章:工業簿記の財務諸表
 第10章:標準原価計算
 第11章:CVP分析と直接原価計算
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