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材料の購入~取得原価の計算と材料副費の予定配賦~

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このページでは予定配賦という新しい概念が登場します。原価計算ではこの予定配賦という考え方が所々で登場しますが、非常に重要な概念なのでしっかりと勉強しましょう。

1.材料の購入原価

材料を外部から購入した場合、その購入原価(取得原価)は次のように計算します。

購入原価=購入代価+材料副費(外部副費+内部副費)

材料の購入原価

購入代価は材料の本体価格をいいます。また、材料副費とは材料を購入する際の付随費用のことをいい、次のように分類します。

材料副費の分類

①外部副費(引取費用):材料を購入してから倉庫に納入するまでにかかった費用。(例)買入手数料、引取運賃、荷役費、保険料、関税など

②内部副費:材料を受け入れた後に発生する費用。(例)検収費、整理費、保管料、購入事務費など。

外部副費は(重要性が乏しい場合を除いて)必ず取得原価に算入しなければなりませんが、内部副費については、その全部または一部を取得原価に算入しないことができます。

2.材料副費の予定配賦

予定額の計算が許容される理由

材料副費は、実際額のほか予定額(あらかじめ予想した金額)をもって配賦(はいふ)することができるとされています。

原価計算は単に報告目的(財務諸表の作成)のためだけに行われるのではなく、経営者の管理目的でも用いられます。そのような目的で用いる場合、なるべく早く計算結果を知りたいという経営者層の要望があるのです。

しかし材料副費の中にはすぐに金額が判明しないものもあります。そのような場合、材料副費の実際額が判明するまで製品の原価が計算できないということになります。

材料副費の予定配賦

そこで計算の厳密さよりも迅速性を優先して、あらかじめ合理的に見積もった予定額で計算することが認められているのです。

「予想の金額で計算してもいいのか?」と思う方もいるかもしれませんが、取引を続けていると「これくらいの材料を購入したら大体いくらの付随費用が掛かる」ということが分かってきます。

皆さんも「今月のスマホ料金がいくらなのか?」ということは大体予想できますよね?その予想した額と実際の額が大きく乖離するということはあまりないと思います。

ただし、あくまでも予定額なので実際額との間には差異が生じますが、この差異は最終的に財務諸表を作成する段階で調整されます。最終的な報告用の数字が正しければ問題ないというわけです。

それでは実際に処理してみましょう。

材料を購入したとき

例題1

材料¥100,000を掛けで購入した。材料副費については購入代価の10%を予定配賦する。

借方科目 金額 貸方科目 金額
材料 110,000 買掛金 100,000
材料副費 10,000
材料副費の予定配賦の勘定記入1

購入代価と材料副費の予定配賦額との合計が材料の取得原価となります。材料副費の予定配賦額は材料副費勘定の貸方から材料勘定へ振り替えます。

材料副費の実際発生額が判明したとき

例題2

材料副費¥10,500を現金で支払った。

借方科目 金額 貸方科目 金額
材料副費 10,500 現金 10,500
材料副費の予定配賦の勘定記入2

材料副費の実際発生額が判明したときは、材料副費勘定の借方に実際額を記入します。

材料副費配賦差異の処理

例題3

材料副費の実際発生額と予定配賦額の差額を材料副費配賦差異勘定で処理した。

借方科目 金額 貸方科目 金額
材料副費配賦差異 500 材料副費 500

材料副費の実際発生額と予定配賦額の差額を材料副費配賦差異勘定へ振り替えます。例題では「実際発生額>予定配賦額」となりますが、これは「予想よりも多く付随費用が掛かってしまった」ということを意味します。このような差異は会社にとって不利となるので、これを不利差異といいます。

材料副費の予定配賦の勘定記入3

不利差異の場合、このように配賦差異勘定の借方へ振り替えられるので、不利差異のことを借方差異と呼ぶ場合もあります。

有利差異(貸方差異)が発生するケース

逆に「実際発生額<予定配賦額」となるケースでは、「予想よりも付随費用が少なくて済んだ」ということを意味します。これは会社にとって有利となる差異なので、これを有利差異といいます。

有利差異(貸方差異)が発生するケース

有利差異は、配賦差異勘定の貸方へ振り替えられるので貸方差異と呼ぶ場合もあります。

この有利差異(貸方差異)、不利差異(借方差異)という概念は、これから何度も出てくる非常に重要な概念です。ここでしっかりと理解しておきましょう。

3.まとめ

まとめ
  • 材料の取得原価は、購入代価に材料副費(外部副費+内部副費)を加算して計算する。
  • 材料副費は、実際額のほか予定額をもって計算することができる。
  • 費用が「実際発生額>予定配賦額」となる場合、両者の差異は会社にとって不利となるので、この差異のことを不利差異または借方差異という。
  • 費用が「実際発生額<予定配賦額」となる場合、両者の差異は会社にとって有利となるので、この差異のことを有利差異または貸方差異という。
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