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理論対策の勉強の仕方
建設業経理士検定って、理論の勉強もしないといけないんだ。なんか難しそう。。。
確かに理論問題は出題されますが、2級では選択肢の中から選べばいいだけなので、がっつり暗記する必要はないんです。
そうなんだ。少し安心。選択肢の中から選べる程度に理解しておけばいいんだね。
そのとおりです。理論は勉強しだすときりがないうえに配点も高くないので試験勉強上、理論対策に多くの時間を費やすのはあまり賢い勉強方法とは言えません。
勉強に時間がかかる上に配点が高くないんだ。確かにコスパが悪いや。
理論問題は4問出題されますが、そのうち半分できればOKです。仮にすべてできなかったとしても、それ以外の基本的な問題がしっかりとできていれば十分に合格できます。なので、直前期までは仕訳や計算の勉強に時間を使ってください。
理論対策については、試験の直前に理論対策編の内容を2~3回ざっと目を通す程度で構いません。そのとき、太字で書いている言葉を意識しながら読んでください。
なお、建設業経理士検定では主に「原価計算基準」にもとづいた理論問題が出題されます。
原価計算制度と特殊原価調査
原価計算は大きく原価計算制度(狭義の原価計算)と特殊原価調査に分類されます。
原価計算制度
原価計算制度とは、財務会計機構と有機的に結びつき常時継続的に行われる計算体系である。
原価計算制度は、財務会計機構(複式簿記)と結びつき、財務諸表を作成するために常時継続的に行われます。要するに、工業簿記によって財務諸表を作成するために行う原価計算のことです。
特殊原価調査
特殊原価調査とは、財務会計機構のらち外において随時断片的に行われる原価の統計的、技術的計算ないし調査である。
特殊原価調査は、意思決定のために必要に応じて随時断片的に行われるもので、帳簿に記録されることはありません(財務会計機構(複式簿記)のらち外)。
原価の本質
「原価計算基準」では、原価計算制度における原価の本質を次の4つにまとめています。
①原価は経済価値の消費である
取得する際に経済的対価(お金など)を必要とする価値の犠牲のみが原価計算の対象となります。したがって、経済価値を有しないもの(空気や海水など)をいくら消費しても原価にはなりません。
②原価は経営において作り出された一定の給付に転嫁される価値である
給付とは、経営活動によって作り出された財貨(製品・半製品・仕掛品など)を意味し、それらの給付にかかわらせて把握されたものが原価となります。
③原価は経営目的に関連したものである
経営目的とは、一定の財貨を生産し販売することを意味します。したがって、経営目的以外(資金調達活動や剰余金の処分など)に関する価値の消費は原価に含めません。
④原価は正常的なものである
異常な状態を原因とする価値の減少や偶発的・臨時的な価値の喪失は原価には含めません。