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第8章-4:合併と買収



合併とは?

合併の種類

合併とは2つ以上の会社が合体して1つの会社になることをいいます。合併の形態としては、吸収合併と新設合併という2つがありますが、受験上出題されるものは吸収合併なので、以後は吸収合併を前提として説明していきます。

合併 吸収合併 当事会社のうち、一方が解散して消滅し、他方が存続する合併。存続する会社を合併会社、消滅する会社を被合併会社といいます。
新設合併 当事会社の両方が解散して消滅し、新たに新会社を設立する合併。

吸収合併と新設合併のイメージ

吸収合併の手続き

合併会社は、被合併会社の資産および負債を受け入れるとともに、被合併会社の株主に対して新たに株式を発行します。これによって、被合併会社の株主は新たに合併会社の株主となります。

吸収合併の手続き

合併の処理方法

他社を吸収合併したときの仕訳

例題 期首に諸資産¥1,000,000(時価)、諸負債¥400,000(時価)の会社を吸収合併し、被合併会社の株主に対し、当社の株式100株(時価@¥7,000)を交付した。なお、株式の交付にともなって増加する株主資本は、すべて資本金とする。

合併の処理については、次のような順序で考えていってください。

①被合併会社の資産および負債の受け入れ

まず、被合併会社の資産および負債を時価で受け入れます。

合併の仕訳では「諸資産」「諸負債」をそのまま勘定科目として使えばOKですが、問題文に別の指示がある場合は必ずそれに従ってください。

②株式の発行

被合併会社の株主に対して、新たに株式を発行します。このとき、株式の発行価額の全額を資本金とする方法一部のみを資本金とする方法とがあります。

③のれんの計上

①で受け入れた被合併会社の資産および負債の時価の差額(受入純資産額)と②によって増加した資本の額との差額を「のれん」(借方差額)または「負ののれん発生益」(貸方差額)で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
諸資産
のれん
1,000,000
100,000
諸負債
資本金
400,000
700,000

問題文の指示により、新たに発行する株式の発行価額¥700,000(=100株×@¥7,000)の全額を資本金として処理します。

のれんのイメージ

増加資本の一部を資本金とする方法

例題 期首に諸資産¥1,000,000(時価)、諸負債¥400,000(時価)の会社を吸収合併し、被合併会社の株主に対し、当社の株式100株(時価@¥7,000)を交付した。なお、株式の交付にともなって増加する株主資本のうち、¥350,000を資本金とし、残額は資本準備金とする。

合併に際して増加する資本のうち、その一部のみを資本金とすることも認められています。

借方科目 金額 貸方科目 金額
諸資産
のれん
1,000,000
100,000
諸負債
資本金
資本準備金
400,000
350,000
350,000

「負ののれん発生益」が発生するケース

例題 期首に諸資産¥1,000,000(時価)、諸負債¥400,000(時価)の会社を吸収合併し、被合併会社の株主に対し、当社の株式100株(時価@¥5,000)を交付した。なお、株式の交付にともなって増加する株主資本は、すべて資本金とする。

「受入純資産額>増加資本」のケースでは貸方に差額が生じます。この貸方差額は負ののれん発生益勘定(特別利益)で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
諸資産 1,000,000 諸負債
資本金
負ののれん発生益
400,000
500,000
100,000


のれんとは?

ボキタロー ところで「のれん」ってなに?お店の前にかかってるやつ?

ある企業の平均的な収益力が同種他企業よりも大きい場合、その超過収益力の原因をのれんといい、のれん勘定(無形固定資産)で処理します。超過収益力には、企業のブランドやイメージ、優良な顧客や従業員、有利な立地条件や販路の存在、独自のノウハウや技術などといったものがあります。

ボキタロー 超過収益力?

簡単に言うと、その会社の”強み”のようなものです。これは帳簿上の金額には表れませんが、このような超過収益力があるからこそ、合併や買収の際に受入純資産額よりも多くの金額を支払う価値があるのです。

ボキタロー なるほど。目に見えないけど、収益の獲得に貢献してくれるから無形固定資産になるんだね。

そうです。なお、のれんは他の無形固定資産と同様、償却を行う必要があります。計上したのれんは償却期間を20年とした定額法(残存価額ゼロ、直接法)によって償却します。

例題 決算となり、当期首に計上したのれん¥100,000について、20年間の定額法により償却を行う。

のれんの償却額は、のれん償却勘定(販売費及び一般管理費)で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
のれん償却 5,000 のれん 5,000

※のれん償却:¥100,000 ÷20年=¥5,000


買収の処理方法

買収とは?

代価を支払って、営業の全部または一部を譲り受けることを買収といいます。

ボキタロー 「営業の全部または一部」ってどういうこと?

ここでいう「営業」とは、一定の目的のために組織化された有機的一体としての機能的財産のことを意味します。

ボキタロー は?

これはどういう意味かというと、土地や建物などの個別の財産だけでなく、例えば、優良な取引先や立地条件、独自のノウハウや技術なども含めて全体として機能する財産ということです。

それぞれの財産を個別に処分すると、のれんの価値を維持できない(超過収益力が保てない)場合などに買収という手段が用いられることがあります。会社まるごと買収する場合もありますし、1つの事業部門だけを買収したりする場合もあります。

買収したときの仕訳

例題 期首にA社が営業していた店舗を買収し、その代金として¥1,000,000を小切手を振り出して支払った。なお、この店舗の資産価値(時価)は、建物¥300,000、土地¥500,000、商品¥100,000と評価された。

買収した財産の受入純資産額と支払った対価との差額は、合併の場合と同様にのれん勘定で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
建物
土地
仕入(※)
のれん
300,000
500,000
100,000
100,000
当座預金 1,000,000

(※)商品を受け入れた場合は、新たに商品を仕入れたと考えて仕入勘定で処理します。ただし、繰越商品勘定を用いる場合もあります。試験では指示に従ってください。




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INDEX

 第0章:本章に入る前に
 第1章:銀行勘定調整表
 第2章:商品売買
 第3章:手形その他債権債務
 第4章:有価証券
 第5章:固定資産
 第6章:引当金
 第7章:リース取引
※作成中
 第8章:株式の発行、合併、剰余金
 第9章:税金および決算等
 第10章:本支店会計
※作成中
 第11章:外貨換算会計
※作成中
 第12章:税効果会計
※作成中
 第13章:連結会計
※作成中
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