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第6章-6:損益の繰延べと再振替仕訳

例えば2月1日にお金を1年間貸したとします(決算日は12/31)。1年間の利息は返済日(翌1/31)にもらう予定です。もし返済日に1年間の収益(受取利息)をすべて計上したら、当期は貸付期間が11か月(2/1~12/31)もあるのに収益はゼロ、次期は貸付期間が1か月(翌1/1~1/31)しかないのに1年分の収益が計上されることになります。果たしてこれでいいのでしょうか?

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損益の繰延べとは

一定期間の正しい利益を計算するためには、期中においてすでに収益・費用が計上されていても次期以降に属する部分は当期の収益・費用とはせずに、次期以降に繰り延べなければなりません。

これを損益の繰延べといいます。

face01 そんなこと言われてもわかんないから例題で説明して。


費用の繰延べの仕訳方法


例題 ×1年9月30日に向こう1年分(×1年10月1日~×2年9月30日)の借入金の利息¥1,200を現金で支払った。なお、当期は12月31日に終了する1年間である。

①利息の支払い時(×1年9月30日)

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払利息 1,200 現金 1,200

この仕訳は特に問題ないと思います。さて、この例題の場合、当期の支払利息(費用)の金額はいくらでしょうか。

face01 ¥1,200!

はい。正解は¥300です。

face01 なんでさ。¥1,200払ったんだから「支払利息」は¥1,200でしょ?

支払った金額がそのまますべて当期の費用になるわけではありません。

当期の費用になるのは支払った金額のうち当期に属する部分だけなのです。次期以降に属する部分については、次期以降に繰り延べる処理をしなければなりません。

②決算時(×1年12月31日)

先ほど言ったように、次期以降に属する支払利息の金額は次期以降に繰り延べなければなりませんが、この処理は決算整理事項として決算時に行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
前払利息 900 支払利息 900
face01 何か知らないけど「支払利息」(費用)が減ったよ。ラッキー。

利払日に計上した「支払利息」は、×1年10月1日~×2年9月30日の1年間に係るものですが、このうち当期に属する部分は×1年10月1日~×1年12月31日の3か月間だけです。

また、1か月分の「支払利息」は@¥100です(=¥1,200÷12か月)。

face01 分かった!@¥100×3ヶ月=¥300だから、当期の「支払利息」は¥300なんだ!

そういうことです。翌期に属する部分(×2年1月1日~×2年9月30日)の¥900(=@¥100×9か月)を翌期に繰延べたのが上の仕訳の意味です。

face01 でも「前払利息」ってなに?

次期以降に属する支払利息は前払利息勘定で次期以降に繰り延べます。費用の前払いなので、これは資産となります。

損益の繰延べのタイムテーブル

③×2年1月1日(×2年度期首)の処理

翌期首には再振替仕訳を行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払利息 900 前払利息 900

face01 なに?これって、決算の時にやった仕訳の逆じゃんか。

はい。再振替仕訳は基本的には前期末に行なった仕訳の逆仕訳をすればいいだけなので、仕訳自体は問題ないと思います。重要なのは、この再振替仕訳を行った意味です。

再振替仕訳により、×2年度の「支払利息」は期首の時点で¥900になります。 つまり、×2年度に属する9か月分の「支払利息」が繰延べられたということになります。また、「前払利息」は再振替仕訳によってゼロになります。

損益の繰延べの勘定記入

収益の繰延べの仕訳方法

収益の繰延べも費用の繰延べと考え方は同じです。

例題 ×1年9月30日に向こう1年分(×1年10月1日~×2年9月30日)の貸付金の利息¥1,200を現金で受け取った。なお、当期は12月31日に終了する1年間である。

①利息の受取り時(×1年9月30日)

受取利息勘定はもちろん収益なので貸方です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,200 受取利息 1,200

②決算時(×1年12月31日)

決算時には、次期以降に属する部分を前受利息勘定を使って繰延べます。次期に属する収益を当期に前受けしたので「前受利息」は負債です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
受取利息 900 前受利息 900

この結果、決算整理後の「受取利息」の金額は当期に属する3か月分(×1年10月1日~×1年12月31日)の¥300となります。

③×2年1月1日(×2年度期首)の処理

翌期首には再振替仕訳をします。前期末に行った仕訳の逆です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
前受利息 900 受取利息 900

再振替仕訳の結果、期首時点において「受取利息」は×2年度に属する9か月間(×2年1月1日~×2年9月30日)の¥900となり、「前受利息」はゼロとなって消えます。

face01 なるほど、よくできてるね。これ考えた人は天才だ。



ポイントチェック!

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1.簿記では、当期に支払った(または受け取った)金額のうち、当期に属する部分のみが当期の費用(または収益)となる。
→当期に属さない部分については、当期の費用(または収益)とせずに、次期へ繰り延べる

2.費用(または収益)を次期へ繰り延べる際には、前払費用(または前受収益)の勘定で繰り延べる。

3.前払費用は、いまだ役務の提供を受けていない期間に係る代金の前払いなので資産(将来役務の提供を受ける権利)である。

4.前受収益は、いまだ役務の提供をしていない期間に係る代金の前受けなので負債(将来役務の提供を行う義務)である。


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