
今回もまたまた問題からです。

あっそ。もう好きにしてください。
給料¥1,000のうち、源泉所得税¥100を差し引き、残額¥900を現金で支払った。

一応できたけど。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 給料 | 900 | 現金 | 900 |

はい、またまた不正解です。

・・・うん。知ってた。
目次 非表示
従業員立替金の処理方法
立て替えたときの仕訳
従業員の個人的な支払いを会社が立て替えて行った場合や給料の前払いなどは、あとで給料から相殺する一時的な“立て替え”となります。そこで、この金額を従業員立替金勘定(資産)で処理します。
従業員に給料の前払いとして¥100を現金で支払った。
現金(資産)が¥100減って、従業員立替金(資産)が¥100増える。

| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
従業員立替金 資産の増加 | 100 | 現金 資産の減少 | 100 |
【借方】
・従業員立替金(資産)が¥100増える
【貸方】
・現金(資産)が¥100減る
立替金を回収したときの仕訳
給料の支払い時に、給料(費用)と従業員立替金(資産)を相殺します。
給料日となったので、従業員に給料として前払分¥100を差し引いた¥900を現金で支払った。
給料から前払分を差し引くということは「立て替えていた金額を回収した」ということになるので、従業員立替金勘定を減少させます。

| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
給料 費用の増加 | 1,000 | 従業員立替金 資産の減少 | 100 |
現金 資産の減少 | 900 |
【借方】
・給料(費用)が¥1,000増える
【貸方】
・従業員立替金(資産)が¥100減る
・現金(資産)が¥900減る
従業員預り金の処理方法
我が国ではサラリーマンなどの給与所得者に対する所得税や社会保険料の徴収方法として源泉徴収制度がとられています。
会社が給料を支払う際に、あらかじめ所得税や社会保険料の金額を給料から差し引いておき、一定の期日までに会社が従業員の所得税等をまとめて国などに納付する制度。なお、源泉徴収された所得税のことを源泉所得税といいます。

給料から差し引いた所得税や社会保険料は一時的に従業員からお金を預かっているに過ぎないので、これを従業員預り金勘定(負債)で処理します。
預り時(給料支払い時)の仕訳
従業員から預かっている所得税や社会保険料は、納付するまでの間、従業員預り金勘定(負債)で処理しておきます。
給料¥1,000のうち、源泉所得税¥100及び社会保険料¥50を差し引き、残額¥850は現金で支払った。
給料(費用)と従業員預り金(負債)が増えて、現金(資産)が減る。

| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
給料 費用の増加 | 1,000 | 従業員預り金 負債の増加 | 150 |
現金 資産の減少 | 850 |
【借方】
・給料(費用)が¥1,000増える
【貸方】
・従業員預り金(負債)が¥150増える
・現金(資産)が¥850減る
給料勘定の金額は支給額の総額(天引きされる前の金額)ということに注意してください。
「従業員預り金」は次のように所得税預り金と社会保険料預り金に分けることもできます。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 給料 | 1,000 | 所得税預り金 | 100 |
| 社会保険料預り金 | 50 | ||
| 現金 | 850 |
所得税を納付したときの仕訳
所得税を納付したときに、従業員預り金(または所得税預り金)を減らします。
従業員から預かっている所得税¥100を現金で納付した。
従業員預り金(負債)と現金(資産)が¥100減る。

| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
従業員預り金 負債の減少 | 100 | 現金 資産の減少 | 100 |
【借方】
・従業員預り金(負債)が¥100減る
【貸方】
・現金(資産)が¥100減る
社会保険料を納付したときの仕訳
健康保険や雇用保険などの社会保険は従業員個人と会社(雇用主)の両方が折半で負担します。従業員負担分はすでに源泉徴収している従業員預り金(または社会保険料預り金)を減らし、会社負担分は法定福利費勘定(費用)で処理します。
社会保険料¥100を現金で納付した。なお、従業員負担分¥50は源泉徴収している。
従業員預り金(負債)と現金(資産)が減って、法定福利費(費用)が増える。

| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
従業員預り金 負債の減少 | 50 | 現金 資産の減少 | 100 |
法定福利費 費用の増加 | 50 |
【借方】
・従業員預り金(負債)が¥50減る
・法定福利費(費用)が¥50増える
【貸方】
・現金(資産)が¥100減る
まとめ

さて、今回で期中取引の大半については学習し終えたことになります。

じゃあこれで3級の勉強は終わり?

いえ、まだです。期中取引を終えると次は決算手続に入ります。

決算って入門でも少し勉強したよね。

はい。入門では決算手続の概要について少しお話ししましたが、3級講座では具体的にどのようなことをやるのかについて順番に勉強していきます。決算手続は日商簿記3級の精算表作成問題や財務諸表作成問題で必ず出題される非常に重要な分野です。

よし!ここらへんでもう一度気合を入れ直すとしますか。
- 給料の前払い等として、会社が一時的に立て替えて支払った場合には従業員立替金勘定(資産)で処理する。
- 会社が源泉徴収した源泉所得税や社会保険料は一時的に従業員から預かっているお金なので、従業員預り金勘定(負債)で処理する。
- 社会保険料のうち会社負担分は法定福利費勘定(費用)で処理する。
1.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?
従業員個人が負担すべき生命保険料100円を現金で立て替えて支払った。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ① | 100 | ② | 100 |
- ①従業員立替金、②現金
- ①保険料、②現金
- ①従業員預り金、②現金
- ①法定福利費、②現金
答え:a
仕訳は次のようになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ①従業員立替金 | 100 | ②現金 | 100 |
従業員個人が支払うべき金額を当社が立替払いしたときは「従業員立替金」(資産)として処理します。
2.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?
給料900円から立替払いしていた100円および源泉所得税70円と社会保険料30円を差し引き、残額を普通預金口座から振り替えて支払った。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 給料 | ? | ① ② 社会保険料預り金 ? | ? 70 ? 700 |
- ①普通預金、②従業員立替金
- ①所得税預り金、②普通預金
- ①従業員立替金、②所得税預り金
- ①所得税預り金、②従業員立替金
答え:c
仕訳は次のようになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 給料 | 900 | ①従業員立替金 ②所得税預り金 社会保険料預り金 普通預金 | 100 70 30 700 |
まず借方は、給料の支給額総額を「給料」(費用)とします。貸方は、立替払いしていた100円を「従業員立替金」(資産)で処理しているのでこれを減らします。
立替金を差し引いた金額を給料として支払うということは「従業員から立替金を返してもらった」ということなので、給料支払時に「従業員立替金」(資産)を減らします。
また、源泉所得税および社会保険料の預かり分はそれぞれ「所得税預り金」(負債)、「社会保険料預り金」(負債)で処理します。
3.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?
従業員から預かっていた源泉所得税70円を現金で納付した。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ① | 70 | ② | 70 |
- ①従業員立替金、②現金
- ①所得税預り金、②現金
- ①社会保険料預り金、②現金
- ①法定福利費、②現金
答え:b
仕訳は次のようになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ①所得税預り金 | 70 | ②現金 | 70 |
所得税の源泉徴収分を後日納付したときは、「所得税預り金」(負債)を減らします。
4.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?
社会保険料60円を現金で支払った。なお、従業員から預かっている社会保険料預り金が30円ある。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ① ② | 30 30 | 現金 | 60 |
- ①従業員立替金、②法定福利費
- ①前受金、②法定福利費
- ①社会保険料預り金、②従業員立替金
- ①社会保険料預り金、②法定福利費
答え:d
仕訳は次のようになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ①社会保険料預り金 ②法定福利費 | 30 30 | 現金 | 60 |
社会保険料60円のうち、従業員負担分の30円はあらかじめ預かっている「社会保険料預り金」(負債)を減らし、会社負担分の30円は「法定福利費」(費用)とします。

