
「いつもニコニコ現金払い」がモットーだった僕のお店もついにクレジットカード決済を導入しました。でもどうやって処理したらいいのかな?普通の「売掛金」と同じでいいの?

処理方法は似ていますが少し違う点があります。

じゃあ仕訳のやり方を教えて。

それでは、今回はクレジット払いで商品を販売したときの処理と敷金などを支払ったときの処理について勉強しましょう。
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クレジット払いによる商品の販売
クレジット売掛金とは?
クレジット払いによる商品の販売は次のような流れで行われます。
販売店はクレジットカードの提示と引き換えに商品を渡します。

販売店は、信販会社から手数料を差し引かれた残額を受け取ります。

信販会社は、販売店に代わって消費者から代金を回収します。

クレジットカードによって商品を売り上げた場合、あとで信販会社から代金を受け取れる権利が発生します。この権利はクレジット売掛金勘定で処理します。

クレジット売掛金は資産(貸借対照表の借方項目)なので、増加すれば借方、減少すれば貸方に記入します。
売掛金の処理はこちらを参考にしてください。
クレジット売掛金の処理方法
クレジット払いで商品を販売したときの仕訳
販売側は手数料を差し引かれた残額を「クレジット売掛金」で処理します。また、信販会社への手数料は「支払手数料」(費用)で処理します。
商品¥1,000をクレジット払いの条件で販売した。なお、信販会社への手数料(販売代金の2%)は販売時に計上する。
クレジット売掛金(資産)、支払手数料(費用)、売上(収益)がそれぞれ増える。
商品の代金から手数料を差し引いた金額が手取額となります。

| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
クレジット売掛金 資産の増加 | 980 | 売上 収益の増加 | 1,000 |
支払手数料 費用の増加 | 20 |
【借方】
・クレジット売掛金(資産)が¥980増える
・支払手数料(費用)が¥20増える
【貸方】
・売上(収益)が¥1,000増える
支払手数料の計算
¥1,000×2%(0.02)=¥20
クレジット売掛金は差額で求めればOK。
代金を受け取ったときの仕訳
信販会社から代金を受け取ったときに代金を受け取る権利がなくなるため、クレジット売掛金を減少させます。
商品代金から手数料を差し引かれた残額の¥980が、信販会社から当社の当座預金口座に入金された。
クレジット売掛金(資産)が¥980減って、当座預金(資産)が¥980増える。

| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
当座預金 資産の増加 | 980 | クレジット売掛金 資産の減少 | 980 |
【借方】
・当座預金(資産)が¥980増える
【貸方】
・クレジット売掛金(資産)が¥980減る
敷金などを支払ったときの処理
差入保証金とは?
差入保証金(さしいれほしょうきん)とは、取引や賃貸借契約に際して、契約の履行を担保するために差し入れる保証金や敷金等をいいます。
差し入れた保証金や敷金は、原則として契約終了時に返還されます。つまり、一時的に預けているだけと考えられるので差入保証金は資産(将来返してもらえる権利)となります。
営業に使用する目的で、店舗を1か月あたり¥1,000で賃借する契約を結んだ。この契約にあたり、敷金(家賃の2か月分)および不動産会社への仲介手数料(家賃の1か月分)を普通預金口座から支払った。
敷金は「差入保証金」(資産)、仲介手数料は「支払手数料」(費用)で処理します。

| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
差入保証金 資産の増加 | 2,000 | 普通預金 資産の減少 | 3,000 |
支払手数料 費用の増加 | 1,000 |
【借方】
・差入保証金(資産)が¥2,000増える
・支払手数料(費用)が¥1,000増える
【貸方】
・普通預金(資産)が¥3,000減る
まとめ

クレジットカードって、販売店は手数料が引かれるだけで何かメリットあるの?

1つは商機を逃さないというメリットがあります。例えば、外国人観光客などは買い物にクレジットカードなどを利用する場合が多いので、カードを使えないお店より使えるお店の方を選ぶケースが多くなるでしょう。
またクレジットカードを使えば、まとまったお金を持っていない人でも分割払いで商品を買えるので、高額な商品が売れやすくなります。

たしかに僕のお店もクレジットカード決済にしてから高い商品が売れるようになった気がする。

その他にも、現金管理の手間が省けるので経理作業を軽減できるなどといったメリットもあります。

なるほど。手数料を払うだけのメリットがお店にもあるんだね。
- クレジットカードで商品を売り上げた場合、販売店はこの売上債権を「クレジット売掛金」(資産)で処理する。
- 取引や賃貸借契約に際して、保証金や敷金等の担保を差し入れた場合は「差入保証金」(資産)で処理する。
1.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?
商品800円をクレジット払いの条件で販売した。なお、カード会社への手数料20円は販売時に計上する。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クレジット売掛金 | ① | 売上 | ② |
| ? | ? |
- ①820、②840
- ①800、②820
- ①780、②820
- ①780、②800
答え:d
仕訳は次のようになります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クレジット売掛金 | ①780 | 売上 | ②800 |
| 支払手数料 | 20 |
カード会社への手数料を販売時に計上する場合、手数料は「支払手数料」(費用)で処理をします。また、販売代金800円から支払手数料20円を差し引いた金額780円を「クレジット売掛金」(資産)とします。
2.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?
クレジット払いによる商品の販売代金800円からカード会社への支払手数料20円が差し引かれた金額が、当社の当座預金口座に振り込まれた。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | ? | ① | ② |
- ①支払手数料、②20
- ①クレジット売掛金、②820
- ①クレジット売掛金、②800
- ①クレジット売掛金、②780
答え:d
仕訳は次のようになります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 780 | ①クレジット売掛金 | ②780 |
クレジット売掛金の金額は、販売代金800円から支払手数料20円を差し引いた金額780円となります。
なお、カード会社への手数料は販売時に計上せずに回収時に計上する処理も考えられます。その場合の仕訳は次のようになります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クレジット売掛金 | 800 | 売上 | 800 |
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 780 | クレジット売掛金 | 800 |
| 支払手数料 | 20 |
3.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?
営業用の事務所の賃借契約を結び、保証金600円、初月の家賃200円および不動産会社への仲介手数料100円を普通預金口座から振り込んで支払った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ① | 600 | 普通預金 | 900 |
| ? | 200 | ||
| ② | 100 |
- ①前払金、②支払家賃
- ①前払金、②支払手数料
- ①差入保証金、②支払家賃
- ①差入保証金、②支払手数料
答え:d
仕訳は次のようになります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ①差入保証金 | 600 | 普通預金 | 900 |
| 支払家賃 | 200 | ||
| ②支払手数料 | 100 |
事務所や店舗などの賃借契約に際して、支払った保証金や敷金は「差入保証金」(資産)、家賃の支払額は「支払家賃」(費用)、仲介会社等への手数料は「支払手数料」(費用)で処理をします。

