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日商簿記3級無料講座

第6章-8:費用の繰延べ(前払費用)



費用の繰延べとは?

例えば、1年分の保険料¥120,000をすべて12月1日に前払いしたとします(決算日:12月31日)。

このとき、当期の「支払保険料」(費用)の金額はいくらでしょうか?

face01 ¥120,000払ったんだから¥120,000でしょう。

それは違います。なぜなら、この保険料は12月1日から翌年の11月30日までの1年間に係るものだからです。

会計期間別に見ると、当期はこの保険を1か月間(12月1日~12月31日)しか利用していないわけですから、1か月分の金額を費用として計上すべきなのです。

face01 つまり、必ずしも支払った金額がそのまますべて当期の費用になるわけじゃないってことだね。

はい、そのとおり。具体的には、支払った金額のうち当期に属する部分のみが当期の費用となり、当期に属さない部分については、当期の費用とはせずに次期へ繰り延べるのです

face01 なんかよくわからないので、具体例で見ていこう。


費用の繰延べの仕訳


例題 ×1年12月1日に向こう1年分の保険料¥120,000を現金で支払った。なお、当期は12月31日に終了する1年間である。

①保険料の支払い時(×1年12月1日)

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払保険料 120,000 現金 120,000

この仕訳自体には問題ないと思いますが、取引には「”向こう”1年分の保険料」と書かれているので、費用の前払いをしたということがわかります。

②決算時(×1年12月31日)

先ほど言ったように、当期の費用となるのは支払った金額のうち当期に属する部分のみです。そこで決算において、次期に属する部分を次期へ繰り延べるための処理を行います。この金額は月割で計算をします。

借方科目 金額 貸方科目 金額
前払保険料 110,000 支払保険料 110,000

face01 何か知らないけど、費用の「支払保険料」が減ったよ。ラッキー。

保険料の支払い時に計上した「支払保険料」の金額¥120,000は、×1年12月1日~×2年11月30日の1年間に係るものですが、このうち当期に属する部分は×1年12月1日~×1年12月31日の1か月間だけです。

face01 じゃあ、1か月分だけが当期の費用(支払保険料)になるわけだね。あとの11か月分は、当期の費用とはせずに次期へ繰り延べるんだ。

そういうことです。

つまり、上の決算整理仕訳によって、当期に属する金額と次期に属する金額とに適切に期間配分されたことになるわけです。

なお、1か月分の保険料は@¥10,000(=¥120,000÷12か月)で、繰り延べる期間は11か月分ですから、その金額は¥110,000(=@¥10,000×11か月)となります。

【タイムテーブル】

費用の繰延べのタイムテーブル

face01 でも借方の「前払保険料」ってなに?

次期に属する支払保険料は前払保険料勘定を使って次期へ繰り延べます。前払保険料勘定は費用の前払いなので資産となります。

前払費用

※前払費用は、仕訳上は「前払保険料」「前払家賃」「前払利息」などの具体的な名称を使います。

【決算整理前残高試算表と決算整理後残高試算表の関係】

決算整理前残高試算表と決算整理後残高試算表


翌期首の再振替仕訳

翌期首(×2年1月1日)には再振替仕訳(さいふりかえしわけ)というものを行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払保険料 110,000 前払保険料 110,000

face01 え?これって、前期の決算の時にやった仕訳を逆にしただけじゃんか。

はい。再振替仕訳は前期末に行なった仕訳の逆仕訳をすればいいだけなので、仕訳自体は問題ないと思います。重要なのは、この再振替仕訳を行う意味です。

「前払保険料」の前期末残高¥110,000を「支払保険料」へ振り替えることにより、×2年度に属する11か月分の「支払保険料」(費用)が前期から当期へ繰延べられたということになるわけです。

それと同時に、前払保険料勘定の残高はゼロとなって消えます。

face01 なるほど。よくできてるねぇー。



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INDEX

 第1章:現金および預金
 第2章:商品売買
 第3章:手形取引
 第4章:有価証券および固定資産
 第5章:その他債権債務等
 第6章:決算手続き
 第7章:帳簿および財務諸表
 第8章:伝票式会計
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