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【手形借入金と手形貸付金】借用証書の代わりに約束手形を振り出す場合

SHIBUYA
SHIBUYA

前回の借入金と貸付金では借用証書によってお金を貸し借りしました。借用証書によってお金を貸すことを証書貸付といいます。

ボキタロー
ボキタロー

借用証書ってお金を貸した(借りた)っていう契約書みたいなものだね。

SHIBUYA
SHIBUYA

はい。しかし、借用証書の代わりに約束手形を振り出す場合もあるんです。

ボキタロー
ボキタロー

約束手形を振り出してお金を借りるの?

SHIBUYA
SHIBUYA

そうです。これを手形借入(手形貸付)といいます。仕訳のやり方は前回とほぼ同じなので問題ないと思いますが、使用する勘定科目に注意しましょう。

手形借入金・手形貸付金とは?

お金を貸し借りした場合、一般的にはその証拠(契約書)として借用証書というものを受け渡ししますが、借用証書の代わりに約束手形をやり取りする場合があります。

借用証書の代わりに約束手形を振り出してお金を貸し借りすること手形借入れもしくは手形貸付けといいます。

手形借入れには、証書貸付よりも審査が早く通りやすい、収入印紙代が安く済むといったメリットがあります。しかしその反面、長期的な融資が難しい、返済できなかったことによるリスクが大きい(不渡りになってしまう)といったデメリットがあります。

SHIBUYA
SHIBUYA

6カ月以内に2度の不渡りを出すと、銀行取引が停止され事実上の倒産となります。

お金を借りる側は手形借入金勘定(負債)、お金を貸す側は手形貸付金勘定(資産)で処理します。

ここは注意

商品を売買するときに約束手形を振り出したときは支払手形勘定・受取手形勘定を使って処理します。これとは区別するように注意してください。

【参考】ここはさらっと読もう

通常の商取引に基づいて振り出される手形を商業手形というのに対して、金銭の貸借に際して借用証書の代わりに振り出す手形のことを金融手形といいます。

お金を借りたとき・返したときの仕訳

手形を振り出してお金を借りたとき

手形借入金勘定は、将来手形のお金を支払う義務なので負債となります。

例題1

A社から現金¥1,000を借り入れ、借用証書の代わりに約束手形を振り出した。

現金(資産)と手形借入金(負債)が¥1,000増える。

支払手形を使わないように注意!

損益計算書と貸借対照表
借方金額貸方金額
現金
資産の増加
1,000
手形借入金
負債の増加
1,000

【借方】
・現金(資産)が¥1,000増える

【貸方】
・手形借入金(負債)が¥1,000増える

手形借入金を返したとき

借入金を返済したときは、返済義務がなくなるため手形借入金を減らします。

例題2

返済日となり、A社に上記の¥1,000を利息¥100とともに現金で返済した。

現金(資産)と手形借入金(負債)が減って、支払利息(費用)が増える。

損益計算書と貸借対照表
借方金額貸方金額
手形借入金
負債の減少
1,000
現金
資産の減少
1,100
支払利息
費用の増加
100

【借方】
・手形借入金(負債)が¥1,000減る
・支払利息(費用)が¥100増える

【貸方】
・現金(資産)が¥1,100減る

お金を貸したとき・返してもらったときの仕訳

手形を受け取ってお金を貸したとき

手形貸付金勘定は、将来手形のお金を受け取れる権利なので資産となります。

例題3

B社へ現金¥2,000を貸し付け、借用証書の代わりに約束手形を受け取った。

現金(資産)が¥2,000減って、手形貸付金(資産)が¥2,000増える。

受取手形を使わないように注意!

損益計算書と貸借対照表
借方金額貸方金額
手形貸付金
資産の増加
2,000
現金
資産の減少
2,000

【借方】
・手形貸付金(資産)が¥2,000増える

【貸方】
・現金(資産)が¥2,000増える

手形貸付金を返してもらったとき

貸付金の返済を受けたときは、お金を受け取る権利がなくなるため手形貸付金を減らします。

例題4

返済日となり、B社から上記の¥2,000を利息¥200とともに現金で受け取った。

現金(資産)と受取利息(収益)が増えて、手形借入金(負債)が減る。

損益計算書と貸借対照表
借方金額貸方金額
現金
資産の増加
2,200
手形貸付金
資産の減少
2,000
受取利息
収益の増加
200

【借方】
・現金(資産)が¥2,200増える

【貸方】
・手形貸付金(資産)が¥2,000減る
・受取利息(収益)が¥200増える

まとめ

ボキタロー
ボキタロー

手形借入金と手形貸付金かぁ。

SHIBUYA
SHIBUYA

はい。約束手形を振り出したからといって、必ずしも「支払手形」「受取手形」になるとは限りません。

ボキタロー
ボキタロー

なんか、いかにも間違えやすそうな感じだね。

SHIBUYA
SHIBUYA

たしかに試験では引っかかりやすい論点ではあります。各ケースで使用する勘定科目を簡単にまとめておきますので間違わないように注意しましょう。

ここは重要

・借用証書によってお金を借りた(貸した)場合
借入金、貸付金

・約束手形を振り出してお金を借りた(貸した)場合
手形借入金、手形貸付金

・約束手形を振り出して商品を買った(売った)場合

支払手形、受取手形

確認問題

1.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?

取引先A社から現金300円を借り入れ、借用証書の代わりに約束手形を振り出して渡した。なお、利息20円は手形額面に含めない。

借方金額貸方金額
現金
  1. ①支払手形、②300
  2. ①手形借入金、②300
  3. ①支払手形、②320
  4. ①手形借入金、②320

答え:b

仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
現金300①手形借入金②300

借用証書の代わりに約束手形を振り出してお金を借りた時は「手形借入金」(負債)で処理します。「支払手形」を使わないように注意しましょう。

なお、この手形借入金を現金で返済したときの仕訳は次のようになります。手形額面に利息を含めない場合は、返済時に「支払利息」(費用)を計上します。

借方金額貸方金額
手形借入金300現金320
支払利息20
返済時の仕訳

2.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?

取引先B社から現金300円を借り入れ、借用証書の代わりに利息20円を含めた金額の約束手形を振り出して渡した。

借方金額貸方金額
現金
  1. ①支払利息、②支払手形
  2. ①支払手形、②支払利息
  3. ①支払利息、②手形借入金
  4. ①手形借入金、②支払利息

答え:c

仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
現金300②手形借入金320
①支払利息20

手形額面に利息を含める場合は、借入時に「支払利息」(費用)を計上します。

なお、この手形借入金を現金で返済したときの仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
手形借入金320現金320
返済時の仕訳

3.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?

取引先C社に現金400円を貸し付け、借用証書の代わりに約束手形を受け取った。なお、利息50円は手形額面に含めない。

借方金額貸方金額
現金
  1. ①手形貸付金、②400
  2. ①受取手形、②400
  3. ①手形貸付金、②450
  4. ①受取手形、②450

答え:a

仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
①手形貸付金②400現金400

借用証書の代わりに約束手形を受け取ってお金を貸した時は「手形貸付金」(資産)で処理します。「受取手形」を使わないように注意しましょう。

なお、この手形貸付金を現金で返済されたときの仕訳は次のようになります。手形額面に利息を含めない場合は、返済時に「受取利息」(収益)を計上します。

借方金額貸方金額
現金450手形貸付金400
受取利息50
返済時の仕訳

4.次の取引に関する仕訳において、①と②に入る組み合わせとして適切なものはどれか?

取引先D社に現金400円を貸し付け、借用証書の代わりに利息50円を含めた金額の約束手形を受け取った。

借方金額貸方金額
現金
  1. ①受取利息、②受取手形
  2. ①受取手形、②受取利息
  3. ①受取利息、②手形貸付金
  4. ①手形貸付金、②受取利息

答え:d

仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
①手形貸付金450現金400
②受取利息50

手形額面に利息を含める場合は、貸付時に「受取利息」(収益)を計上します。

なお、この手形貸付金を現金で返済されたときの仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
現金450手形貸付金450
返済時の仕訳