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第6章-7:損益の見越しと再振替仕訳

前回は、代金を受け取った(または支払った)のに、いまだ役務(サービス)を提供していない(または提供されていない)ケースについて学習しました。今回は逆に、役務を提供した(または提供された)のに、いまだ代金を受け取っていない(または支払っていない)ケースの処理について学習していきます。混乱しないでくださいね?

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損益の見越しとは

損益の繰延べとは逆に、期中においてまだ収益・費用が計上されていなくても、翌期以降に発生する収益・費用の一部を当期の収益・費用として見越計上することがあります。

これを損益の見越しといいます。

face01 なんか、またややこしそうですな!


収益の見越しの仕訳方法


例題 ×1年10月1日に¥100,000を現金で貸し付けた。1年分の利息である¥1,200は×2年9月30日に受け取る。なお、当期は×1年12月31日で終了する1年間である。

①貸付時(×1年10月1日)

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸付金 100,000 貸付金 100,000

face01 「貸付金」は債権だから資産。この仕訳は問題ないね。

②決算時(×1年12月31日)

損益の繰延べと同じように考えていきます。

受取利息の¥1,200は×1年10月1日~×2年9月30日の1年間に係るものですが、×1年10月1日~×1年12月31日の3か月分は当期に属するものです。

この部分を未収利息勘定を使って見越し計上します。ちなみに、「未収利息」は将来利息を受け取れる権利なので資産です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収利息 300 受取利息 300

決算整理後における当期の「受取利息」の金額は¥300となり、これが当期の収益となります。翌期に受け取る受取利息の一部を当期に見越し計上したことになります。

③×2年1月1日(×2年度期首)の処理

翌期首には、やはり再振替仕訳を行います。前期末に行なった仕訳の逆仕訳です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
受取利息 300 未収利息 300

期首の時点で、「未収利息」の金額はすべて「受取利息」へ振り替えられるためゼロとなります。

face01 「受取利息」って収益なのに、なんで借方なの?

それは次の処理でわかります。

④×2年9月30日(利息の受取時)の処理

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 1,200 受取利息 1,200

利息として受け取った受取利息の金額は1年分の¥1,200ですが、受取利息勘定は期首の再振替仕訳によって借方に¥300計上されています。

つまり、③の仕訳と④の仕訳を合わせると受取利息の金額は¥900となるわけです。

face01 あっ!×2年度の「受取利息」は9か月分の¥900だ!

はい。つまり、×2年度に受け取った1年分の「受取利息」¥1,200が×1年度に¥300(3か月分)、×2年度に¥900(9か月分)と適切に期間配分されたことになります。

損益の見越しのタイムテーブル

費用の見越しの仕訳方法


例題 ×1年10月1日に¥100,000を現金で借入れた。1年分の利息である¥1,200は×2年9月30日に支払う。なお、当期は×1年12月31日で終了する1年間である。

①借入時(×1年10月1日)

借入金は負債なので貸方です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 100,000 借入金 100,000

②決算時(×1年12月31日)

費用の見越しについても、先程の収益の見越しと考え方は同じです。

実際に利息を支払うのは翌期ですが、当期に属する3か月分は当期の費用として見越計上します。そして、その分を未払利息勘定で処理します。

未払利息勘定は、将来利息を支払わなければならない義務なので負債です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払利息 300 未払利息 300

この結果、決算整理後の「支払利息」の金額は当期に属する3か月分(×1年10月1日~×1年12月31日)の¥300となります。

③×2年1月1日(×2年度期首)の処理

翌期首には再振替仕訳です。この時点で未払利息勘定の金額はすべて「支払利息」に振り替えられるためゼロとなります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
未払利息 300 支払利息 300

④×2年9月30日(利息の支払時)の処理

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払利息 1,200 現金 1,200

③の仕訳と④の仕訳を合わせると、×2年度の「支払利息」は9か月分の¥900となります。


経過勘定項目のまとめ

ここまで、すべて利息(「受取利息」、「支払利息」)を例にとって見てきましたが、損益の繰延べ・見越しは利息に限ったことではありません。

利息以外にも期間配分が必要な収益・費用については基本的には繰延べ・見越しを行います。

損益の繰延べに使われる勘定を繰延勘定といい、損益の見越しに使われる勘定を見越勘定といいます。そして、この2つを経過勘定といい、下のように分類できます。

経過勘定 繰延勘定 前払費用(資産) 「前払利息」「前払保険料」など
前受収益(負債) 「前受利息」「前受地代」など
見越勘定 未収収益(資産) 「未収利息」など
未払費用(負債) 「未払利息」「未払家賃」など



ポイントチェック!

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1.簿記では、当期に代金を支払っていなくても(または受け取っていなくても)、当期に属する部分は当期の費用(または収益)となる。
→当期に属する部分については、当期の費用(または収益)として見越計上する。

2.費用(または収益)を見越計上する際には、未払費用(または未収収益)の勘定で繰り延べる。

3.未払費用は、すでに役務の提供を受けてた期間に係る代金の未払いなので負債(将来代金を支払う義務)である。

4.未収収益は、すでに役務の提供をした期間に係る代金の未収なので資産(将来代金を受け取る権利)である。


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